近くにも、セミの養殖林や養殖畑があるとのこと。車であたりを見学していると、懐中電灯を持った人々がかなり目についた。小さい子どもから原付に乗ったおばあさんまでが、懐中電灯で木々を照らしている。手には、水の入ったペットボトルを持っている人が多い。もしやと思って声をかけてみると、全員がセミ採集していた。野生のセミや養殖林から逃げたセミなどを求めて、道路沿いの木々を巡っていたのであった。東京の街灯のような間隔で、セミ採集の懐中電灯が村の中で灯されていた。

 1匹1元で引き取られるセミの幼虫は、現地の方々にとっては良い収入になるらしい。老若男女問わず、日が沈んでからセミ採りに出かける人々が懐中電灯で木々を照らす様子は、ちょっとしたお祭りのようであった。

道路沿いでセミを採る人と明かり。右奥は養殖林(写真:筆者提供)
セミの選別を行う村人(写真:筆者提供)

いざ実食! 本場で絶品セミ料理

 いちご狩りならぬセミ狩りをした筆者だが、本場のセミ料理を賞味することも目的の一つだった。セミ狩りを終えると夜が更けていたが、ホテル近くのザリガニ料理屋がセミも調理可能とのことで、調理をお願いしてみた。

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 まずはセミを、素揚げする。それから唐辛子、花椒(麻辣の麻)、塩コショウ、パクチーで炒めて味付けすれば、セミの麻辣炒めが完成だ。待ってましたと口に放り込むとセミ幼虫の皮がほどよい歯ごたえで、麻辣とマッチしてお酒が無限に飲めそうな味であった。