「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が今年5月、議員立法で成立した。ただし、罰則はない理念法にとどまっている。そのため、各党・各会派の自主的な取り組みが問われることになる。

 同法は、国会議員や各都道府県議会議員、市区町村議会議員の選挙で、男女の候補者ができる限り「均等」となることを目指している。政治分野でも、男女の固定的な性役割を反映した社会制度や慣行による影響に配慮しながら、性別に関わりなく、個性や能力を十分に発揮できるようにすることも目的となっている。

東京都議会で女性議員が増えた理由

 日本の国会議員の女性比率は衆議院で10.1%、参議院では20.7%。世界の国会議員が参加する「列国議会同盟」の報告書によると、日本は193カ国中158位。女性議員の後進国となっている。

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 では、各都道府県議会ではどうなのだろうか。総務省「地方公共団体の議会の議員及び長の所属は別人員調等」によると、比率は衆議院議員と同じく10.1%となっている。

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 最多は東京都。126人のうち、36人が女性だ。比率としては28.6%。全国平均の約3倍だ。2017年の都議選で、「都民ファーストの会」が躍進したことが大きい。現在所属している53人中18人を占め、32%が女性だ。当時の小池百合子都知事の人気を背景に、小池都知事主宰の政治塾「希望の塾」が開催された。その中で都議選での新人発掘をし、既存の利害関係にとらわれない選出をしていったことも影響したとみられる。

 なお、女性議員が多い理由について「都民ファーストの会」にメールで問い合わせたが、回答はなかった。

昨年の都議選では、「都民ファーストの会」から大量の女性候補が当選した ©getty

 共産党都議団は、会派内の中での比率が高い。18人中13人、72%が女性となっている。

「党の方針として女性の立候補者を意識している。市区町村で実績を積んだ人もいますが、経験ない人もいます」(共産党関係者)

 ちなみに、東京都は、市区の議員でも女性比率は28.1%で最多となっている。ランキング上位には、首都圏や関西など、都心部の地域が並ぶ。ワースト3は、いずれも九州の県だった。

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