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女性議員が1人しかいない県議会が全国に3つある

 岩手県議会は東北地方で最も女性議員の比率が高く、47人中、女性議員は7人で、15%を占めている。全国でも4番目に多い。ただ、市区議員の比率は39番目(9.5%)と低い。

 議会関係者によると、女性だからといって特段、意識しているわけではない、という。1995年まで議員会館に女性トイレもなかったことも、それを裏付けている。しかし、現在は、産休をとる女性議員もいる。

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 一方、女性議員が1人しかいない県議会が全国に3つある。山梨県議会、佐賀県議会、香川県議会だ。3つの県議会の関係者ともに「特に理由は見当たらないが、立候補自体が少ない」と口を揃える。

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 香川県議会では過去3期とも女性議員は2人当選していた。前回の県議選でも3人が立候補。2人が当選した。

「女性の立候補者が少ない理由は見当たらない」(議会事務局)

 現在の議席は、共産党の女性議員が国政へ挑戦したために、1人減。リベラル香川の1人のみになった。

「女性の立候補者自体が少ない」

 佐賀県議会では「女性議員が複数いたことがある。昭和42年の選挙では3人当選している。一方で0人の選挙もあった。ただ、立候補者自体が少ない」(議会事務局)としている。

 唯一の女性議員がいる共産党の関係者は「全選挙区で共通の事情があるわけではない」としつつも、「家庭の条件を含めて、綺麗事では済まされない」と、女性の立候補自体が難しい現状を指摘する。佐賀県では国会議員にも女性はいない。

昨年、「子連れ出席」が問題となった熊本市議会。熊本県全体の市議会議員に占める女性の割合は8.7%で全国41番目だった ©時事通信社

 山梨県議会で「前回の選挙で女性議員が2人引退をしたために、結果として1人になった」(議会事務局)という。ただ、立候補者も多いわけではない。過去の選挙では6人が最高だった。市区議も10.6%で32番目と比率は高くない。

 唯一の女性県議を出している共産党は「党としては女性議員を多くしようと努力している」(党関係者)という。一方、自民党山梨県連に所属している国会議員4人のうち2人が女性だが、県議に女性はいない。「地域の実情を踏まえるとなかなか立候補が難しい」(党関係者)としている。

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