あなたは「ネオ家系ラーメン」をご存じだろうか?
その名のとおり、「ネオ(neo)=新しい」家系ラーメンという意味で、最近のラーメンのトレンドの一つとしてよく名前を聞くようになってきた。
名前だけ聞くと、家系ラーメンの進化版の一杯を想像してもらえるかと思うが、ネオ家系の中には、家系にリスペクトを抱きながらも、みずからを家系と定義しない店もある。一体なぜそんなことになっているのか。家系ラーメンの歴史を振り返りながら、その理由を探ってみたい。
家系ラーメンを広めた“弟子入りシステム”
「家系ラーメン」とはもちろん「横浜家系ラーメン」のこと。
1974年創業の「吉村家」(横浜市西区。当時は新杉田駅近く)を源流とし、その弟子や孫弟子を中心に神奈川県を中心に広がっていった豚骨醤油ラーメンのことを指す。
「○○家」という店名のお店が多かったことから、ファンの間で「家系(いえけい)」と呼ばれるようになり、それがジャンル名となっていった。濃いめのクセになる味で、麺の硬さ、油の量、味の濃さをお客の好みでカスタマイズできるのも人気だ。麺は短めの太め平打ちで、具材はチャーシュー、ほうれん草、ネギ、ノリ3枚というのがスタンダードだ。
ハチマキを締めた職人がたくさんの寸胴で豚骨を炊いている姿を見たことがある人も多いだろう。厳しい修業を経て独立したお店が多く、その熟練の技はラーメン界の国宝といっても良い。
家系ラーメンの大きな転機としては、「資本系」と呼ばれる大手チェーンが台頭してきた2015年ごろに遡る。

