吉野家が「二郎化」している?

 そんな吉野家が発売したのが「牛玉スタミナまぜそば」である。この、記念すべき麺類第1号メニューのために吉野家は思い切った広告戦略に出た。各店に、スタミナ系・デカ盛りの象徴である「ラーメン二郎」を模したような黄色基調・黒文字のポスター・タペストリーを配したのである。

 牛玉スタミナまぜそばの看板は、否が応でも「吉野家が麺メニューを始めた」ことを認識させてくれる。「ガツンと、濃厚旨味!」と紹介されたまぜそばの中身は「にんにくマシマシだれ」、魚粉、野菜や天かすなどであり、二郎系に近しい。濃厚さ・食べ応え・ギルティ感を想起させるための戦略は、ひとまず正解だったといえるだろう。

7月4日に発売した「まぜそば」の看板(筆者撮影)

 ところが、このまぜそばに対して「期待外れ」という声が出ている。

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 SNSでは「思ったほどのスタミナ感・濃厚さがない」といった味に関するものから「二郎系にしては盛りが少なすぎる」「まぜそばを食べた気がしない、ものたりない」というものまで、ずいぶんと意見が分かれている。

 実際のところ、どうなのだろうか? さっそく実物をテークアウトして、他の二郎系店舗の商品などと検証してみた。

ネット上の“酷評”は本当? 類似メニューと比較して検証

 767円の牛玉スタミナまぜそばに対し、比較する商品には、筆者の自宅近辺にある二郎系インスパイア店舗の「汁なしラーメン」(980円)と、ファミリーマート「東京千里眼監修 冷しニンニクまぜそば」(698円)をチョイスした。

左が二郎系の汁なしラーメン、右が吉野家のまぜそば(筆者撮影)
ファミリーマートの「東京千里眼監修 冷やしニンニクまぜそば」(筆者撮影)

 牛玉スタミナまぜそばは、二郎系の汁なしラーメンより200円ほど安く、ファミリーマートのまぜそばよりは高い。果たして両者に勝る味・量、そしてコストパフォーマンスはあるのだろうか。お腹がすいてきたので、手早く検証に入ろう。なお、重量計測はグラムスケール、寸法計測は専用ノギス・物差しで行っている。