Aさんの家庭は、収入は十分あるはずなのに、毎月の生活費は足りず、それどころかカードローンの負債も抱えていました。

山積みの段ボールで娘がケガ

家は足の踏み場もなくなり、長女は廊下に置いてある段ボールの上で宿題をしています。その廊下も段ボールが積まれていて、横に歩かないと通り抜けられません。

そんなある時、廊下に積んであった段ボールが崩れて、勉強していた長女がけがをしました。Aさんが崩れた段ボールの山を確認すると、ダンベルなどの重い物と包丁セットなどの危ない物が一緒くたに積まれていて、一歩間違えれば大けがになっていてもおかしくありませんでした。

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Aさんは「このままでは自分たちは死んでしまう」と思い、長女を連れて実家に帰りました。仕事をしつつ、両親に協力してもらいながら長女の面倒を見ていると、精神的には多少落ち着いてきました。そして私の事務所に相談にいらっしゃったのです。

Aさんは、「働いても働いても給料を妻に使われてしまい、このままではとても生活できないので離婚したい。でも妻が離婚に応じてくれるとは思えません」と言いました。

確かに、このタイプの妻は簡単には離婚に応じません。浪費をするためには、Aさんと結婚していないといけないからです。

それでも、そこで諦めてしまうと、際限なく妻にお金を使われ続けることになり、最悪の場合、自己破産ということになります。

負債を払わせるより離婚する方が金銭的メリット大

まずは金銭面の整理をしてみました。Aさんたちが住んでいて、現在妻が一人で住んでいるマンションは賃貸です。銀行口座に預金はなく、その他の財産もゼロ。妻が勝手に借りたカードローンの負債が約100万円ありました。

負債を妻に払ってもらった上で離婚するのが理想だということでしたが、それは現実的には難しいと伝えました。収入も貯金もない妻が返済できる可能性は低く、妻の両親が返済に協力するケースもほとんどないからです。