しかし、Aさんの妻のように、地味な買い物を繰り返して、家族が止めてもやめられないというのがリアルな実態です。

同じようなもの、いらないものを大量に購入して部屋にぎっしり置いてあり、カード明細を見るとそういった買い物が積もり積もって家計の大半を占めている……という状態です。

最初は「貯蓄ができない」「妻がモノを片付けられない」「家に足の踏み場がない」という相談で、よく話を聞くとその背景に買い物依存症が潜んでいるという場合もあります。Aさんの妻のように、掃除ができない、家事ができない、子どもの面倒を見られないというケースもあります。

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このように、買い物依存が他のさまざまな問題に派生することがあるのです。

まずは家計を切り離す

こういった人は、精神科などを受診すると、何らかの依存症の診断を受けることも多く、そうでなくても今後治療が必要である場合が多いです。

こういった妻に離婚を切り出しても、もちろん応じてもらえません。妻としては離婚すると夫のお金を使えなくなるため、離婚に応じるメリットがないからです。

こういうタイプの妻に対しては、家計をきちんと切り離すことが非常に有効な手段になります。

別居して、収入に基づいた適正な生活費を渡すようにすると、それだけで妻は浪費ができなくなります。

その上で、銀行口座に手を付けられないようにする、クレジットカードを止める、携帯料金の支払いも別にするなど、一つひとつ地道な対策を取り、物理的に浪費ができないようにしていくようにしましょう。

もちろん、妻からはお金の催促が頻繁に来ることになりますが、きっぱりと拒否し続けることが大事です。そのためにも、弁護士に依頼するなど、誰かに間に入ってもらうことが効果的です。

浪費が原因でも離婚は可能

とはいえ、配偶者の浪費に悩みながらも、離婚してもらえず、「子どもが生まれたら治るだろう」などと考えながらずるずると結婚生活を続けた結果、借金がかさみ、全く生活が立ちいかなくなってしまった状態で相談にいらっしゃる方を、これまで数多く見てきました。