――夫婦円満の秘訣はあるのですか?
鄭大世 それは、すべて自分が間違ってるんだ、と思うことですね(笑)。そう思うと意外と楽なんです。
「もともとの性格は典型的な亭主関白タイプ」それでも夫婦円満を続けられる秘訣
――具体的に聞いても良いですか。
鄭大世 僕は末っ子として超甘やかされて育ったせいか、利己的な性格で、数々の失敗をしてきました。
そんな自分がダメだというのを知っているから、すべて自分が間違っていると言い聞かせて、自分を変えるのが正しいと思っているんです。
もともとの性格は典型的な亭主関白タイプだけど、今は積極的に育児も家事もしています。あとは、韓国やドイツで男性が家事と育児をする姿を見てきたので、自分の考えは古くて間違ってるんだなと思うことができました。
――相手を変えるのではなく、まずは自分を変えようとする、ということですね。
鄭大世 例えば、妻は水回りの掃除は超得意ですが、まめな片付けは苦手です。
本来の僕の性格なら、部屋が散らかってたら「子どもを送ったあとに時間あるなら掃除してよ!」と言うところですが、今は妻が苦手な部分は自分がやればいいか、と思っているので、自分で片付けたり、洗濯物を畳んだりしてますね。
でも結局、その思考に持っていくためには、パートナーをどれくらい大切に思うかが重要だと思います。僕は妻がいなきゃ生きていけないので、彼女との関係を維持させるためならなんだってやります。
今夏から始まる日本拠点での生活
――今年の夏には、韓国から日本に生活拠点を移すそうですね。
鄭大世 東京の外れに広い家を見つけたので、そこで家族みんなで暮らす予定です。日本で家を買ってしまうか迷ったけど、あと数年したら子ども達は家を出て行くだろうから、賃貸にしました。ドーベルマンもいるからかなりハードルが高かった。
――これからは子ども達と一緒にいる時間がさらに増えそうですね。
鄭大世 長男に関しては、アメリカの大学に行きたいって言ってるんですよ。そうしたら、簡単に会えなくなるし、「お金が必要」とか言われると思うんですよね。だからあと数年で、僕は子どものATMになりますね、間違いなく(苦笑)。
本当はもうひとり子どもが欲しいんですけど、奥さんからは「仕事があるし、産むのも育てるのも私になるからダメだ」って言われてます。
――テセさんの話からは、家族愛しか感じられないです。
鄭大世 家族がすべて。奥さんがいないと死んじゃう。それはこれからもずっと変わらないですね。
撮影=山元茂樹/文藝春秋
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