著名な生物学者と生物画画伯が本気で昆虫採集をしました。東京近郊の自然を求めて秦野の山に向かう、いい歳をした大人2人の素敵な冒険録、前編です。
まずは道具から、シガコンと六本脚
<絵本作家、舘野鴻さんのアトリエがある秦野に遠征した福岡ハカセ。昆虫採集に最適なのは午前中と夕方ということで、東京を朝7時に出発し、9時から虫採りがスタートする>
福岡 だいぶ使い込んでいますね、その捕虫網。私のは「シガコン(志賀昆虫)」のなんですが、舘野さんのは?
舘野 これとこれがシガコンですね。今日はこっちにしようかな。「六本脚」の長竿で、8メートルくらいに伸ばせるんです。
福岡 おお、昆虫文献でも有名な千代田区三番町の「六本脚」ですね。東京の昆虫少年にとって虫グッズの老舗といえば、「志賀昆虫」か「六本脚」。最近はネットで買えるようになったので便利ですよね。私のも40センチ弱に短くできるので、網部分と一緒に常にリュックサックに入れてあるんです。