国土交通省が例年発表する「混雑率調査」では、JR路線、地下鉄・私鉄路線の混雑率(ピーク時の1時間で、輸送人員÷輸送力で算出した数値)が明らかとなっている。
「座席につくか、座席前の吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる」状態が100%だとすれば、全国で最も混み合う路線の混雑率は、実に177%。体の向きを変えるのも困難で、もはや通勤中の押し合い・へし合いだけで、1日の体力を使ってしまう勢いだ。
さて、今般発表された2024年度の混雑率では、どのような路線が上位に入っているのか。今回は「全国のJR路線」のランキングを見ていく。(全3回の1回目/地下鉄・公営・新交通システム編を読む/民鉄・モノレール編を読む)
「上り」「下り」ともトップ5にランクインした路線とは?
まずはトップ5のうち、3~5位を見ていこう。2024年度は、次のような結果となった。
3位:京浜東北線(計測区間:川口~赤羽)
混雑率156%(2023年:150% 2020年:118% 2019年:173%)
4位:東海道線(計測区間:川崎~品川)
混雑率 154%(2023年:151% 2020年:103% 2019年:193%)
5位:京浜東北線(計測区間:大井町~品川)
混雑率 153%(2023年:146% 2020年:112% 2019年:185%)
京浜東北線が川口~赤羽で混雑率156%、大井町~品川で混雑率153%と、上り・下りともにランクインした。いずれも前年度から5ポイント以上悪化している。
トップ3常連の「中央線」は改善の兆しあり?
2位:中央線快速(計測区間:中野~新宿)
混雑率:161%(2023年:158% 2020年:116% 2019年:184%)
2位は中央線快速だ。混雑率は161%。最混雑区間は中野~新宿で、輸送人員が前年度から微増し、混雑率も158%から3ポイント悪化した。
過去のランキングを見ても、2023年度は2位、2022年度は4位で安定した混雑ぶりを見せている。中央線の各駅停車を担う「緩行線」の混雑率は91%で、あまり分散しておらず、高尾・八王子方面からくる快速列車の利用者の多さが、この混雑率に繋がっているといえるだろう。


