半年かけて体を絞り、4キロの減量も

 ベリーダンサーの役とあって、ダンスの練習はもちろん、体を絞り込むのに半年をかけ、鶏の胸肉を主食にして、体重も4キロほど落とした。ダンスシーンで衣装からのぞかせていた見事なまでに引き締まったお腹周りも、その撮影の前に3食すべてをジュースだけに置き換える断食生活を3日間やった賜物である。木南といえばパン好きのイメージも強いが、このときばかりは少しだけ我慢したとか。

割れた腹筋を披露(木南晴夏のインスタグラムより)

幼い頃から“度を超えた”パン好きだった

 パンが好きなのは幼い頃からである。当時、母親がパン工場で働き、自家用車で移動販売をしており、木南も工場についていっては、母の同僚からできあがったパンの端っこをもらったりするなど、焼きたてのパンの匂いをかいで育ったという。母がその仕事を辞めてからも、高校生だった姉がパン屋でバイトを始めたので家にパンが途絶えることはなく、朝食も当然のようにいつも食パンだった(『週刊文春』前掲号)。

 ただ、それが当たり前だと思っていたので、パン好きだという自覚はなかったようだ。それが俳優の仕事を始めて少し経った頃、東京のパン屋を巡っては、さまざまな種類のパンを食べ続けていた木南を見て、当時の担当マネージャーが「パンに対する熱意が度を超えている!」と教えてくれたという(「with online」2022年1月13日配信)。

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『キナミトパンノホン』(講談社、2020年)

 マネージャーからは仕事にしたほうがいいんじゃないかとアドバイスを受けた。これを機に、雑誌『おとなの週末』で連載エッセイ「キナミトパン」を2015年から約7年間連載したほか、単行本『キナミトパンノホン』(講談社ビーシー、2020年)、NHKのBSの番組『パン旅。』(2016年~)など、各地のパンを紹介する仕事を展開していく。パンシェルジュの資格も取得し、2022年からは冷凍パンの定期便サービス「キナミのパン宅配便」をプロデュースする。同サービスの会員は開始1年ほどで累計1万人を突破したという。