ベア・スターンズでは富裕層の顧客を対象に成功を収めるが、1982年に自身のコンサルティング会社を設立し、以後、金融界でのし上がっていく。エリート層が集まるニューヨーク社交界にも顔を利かせるようになり、不動産業者であったドナルド・トランプとも1990年頃に知り合っている。
当時エプスタインとトランプがパーティ会場で共にいる写真が何枚も残っている。中にはトランプと結婚する前のメラニア、エプスタインの恋人ギレーヌ・マクスウェルも含めて4人で写っているものもある。
また、女性下着ブランドの大手、ヴィクトリアズ・シークレットの会長兼CEOであるレスリー・ウェクスナーとも知己となり、エプスタインは同社の財務を一手に引き受けることとなった。
エプスタインの死後にニューヨークの邸宅内が撮影された報道写真を見ると、エプスタインが世界に名だたる著名人――ミック・ジャガー、イーロン・マスク、フィデル・カストロ(キューバの革命家、故人)、教皇ヨハネ・パウロ2世(故人)、リチャード・ブランソン(英国の実業家、ヴァージン・グループの創設者)、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子――などと写っているスナップ写真が多数飾られている。また、書斎には小説『ロリータ』の初版本が飾られていた。
社交的なエプスタインは自宅で頻繁にディナーパーティを開き、ビル・ゲイツ、ウディ・アレン(映画監督)、ノーム・チョムスキー(言語学者)など様々な分野の第一人者たちとの交流も深めていた。ただし、こうした著名人たちは必ずしもエプスタインの“顧客”ではない。
だが、英国のアンドルー王子(故エリザベス女王の第三子)は、エプスタイン島で性行為を強要されたとする当時は未成年だった女性に訴訟を起こされている。元大統領のビル・クリントンはエプスタインと特に親密であったことから、「顧客」であったか否かが常に取りざたされている。
また、今年7月にはウォールストリートジャーナルがこんな報道をした。

