「尿が漏れることがありました」お腹に感じた“違和感”の正体
――高校生活は楽しめましたか。
シンディ 高校でもやっぱり女子にいじめられるし、辛い、辛い、辛い。辛いがずっと続いて私の人生こんなものだから仕方ないって諦めた時に、お腹に痛みを感じるようになったんです。
――すぐ病院に行きましたか。
シンディ 病院で診てもらうという考えに到りませんでした。今思えば、ずっと体に違和感はあったんです。1年生の時、体育の授業でちょっと力を入れた時や笑ったりした時に、尿が漏れることがありました。
母方の祖母が看護師だったので、相談しましたが、おばあちゃんは結構ギャルなので、「(性交渉)しすぎなんじゃないの?」って。性交渉をすると人の体って変わっていくんだって納得してしまったんですよね。
3年生になったら、お腹が少し膨れてきて太ったかな?と思いましたが、高校生ってちょうど太る時期だし、単に胃下垂なんだと。
30センチの腫瘍発見…「私は死ぬんだな」と思った
――2年くらい放置したんですね。
シンディ ある時、高熱が出て、お通じがなくなりました。そしたら、姉が面白がって、「出ないんだったら、マッサージしてあげるよ」って私のお腹を押し始めたんです。今となっては姉に感謝しかありませんが——「何かしこりがあるよ」。
それでもまだ病院に行こうと思いませんでしたが、母が信頼している友人に相談したら、「すぐに病院へ連れていきなさい」って。CTを撮った後、また順番待ちをしていたら、看護師さんがすごい勢いで走ってきて、「今すぐ処置室に入って下さい」と告げられました。そこで初めて、体の中に30センチの腫瘍があることがわかったんです。
――30センチというと、ちょうどラグビーボールくらいのサイズですね。
シンディ 当時、高校3年生で、18歳で、死というものを考えることがなかった。いじめられて「死にたい」という言葉を発することはよくありましたが、人は本当に死を感じる体験をすると、そう簡単に「死にたい」とは言えなくなるんだなと。
――医師は何と?
シンディ 「どうしてこんなになるまで気づかなかったんですか?」「どうして病院に来なかったんですか?」って。母は何も答えられなくて、泣いていました。
私も母もパニックで、だって腫瘍というと、もう癌とか悪いイメージしかないじゃないですか。私は死ぬんだなと思いました。
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