和哉 のりピーの時に、牛山真一(注8)さんという、日芸で手塚さんと同期の自主映画の先輩が制作をしてくれたんですよ。終わった後、牛山さんから「何か映画の企画ないのか」と聞かれたので、「大島弓子さんの『四月怪談』をやりたいんです」と答えて、それで牛山さんが小澤さんに企画を出したら通って、『四月怪談』が撮れることになったんです。だから、そういう人とのつながりで1歩ずつ進んでいった結果なんですね。東映Vシネマが始まって、ビデオ会社が映画を作り始めようとしていたタイミングだったことも重なったんですが。
明子 なぜ『四月怪談』を撮りたかったんですか?
和哉 『四月怪談』は高校生の時に読んですごく感動して、撮りたいと思っていた。あと、少年ドラマシリーズと一緒で、特撮を使わずに感動できるSFファンタジーという意味でも『四月怪談』は素晴らしいなと。
明子 とてもメッセージ性もありますよね。
和哉 そうですね。主人公の女子高生が幽霊になって、生きている人たちを見ていろんなことに気付いていって、生きることの大切さに気付いていくというすごくいい話ですよね。
注釈
1)一瀬隆重 プロデューサー 8ミリで『ウルトラQ No.29 闇が来る』(1980)、『理想郷伝説』(1981)を監督。代表作:『帝都物語』(1988)、『リング』(1998)、『THE JYUON/呪怨』(2004)など。
2)山川直人 映画監督 『ビハインド』で1979年PFF入選。代表作:『ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』(1986)、『SO WHAT』(1988)など。
3)植岡喜晴 映画監督。代表作:『夢で逢いましょう』(1984)※8ミリ、『精霊のささやき』(1987)など。
4)小林弘利 脚本家、小説家。代表作:『ボーイハント』(1978)、『フェアリーテール』(1983)※以上8ミリの監督作品 以下脚本 『グリーンレクイエム』(1988)、『二人が喋ってる。』(1997)、『死に花』(2004)、『江の島プリズム』(2013)など。
5)瓜生敏彦 撮影監督。代表作:『神田川淫乱戦争』(1983)、『ゴンドラ』(1987)、『忘れられた子供たち スカベンジャー』(1995)、『子どもの瞳をみつめて』(監督 2023)
6)小澤俊晴 プロデューサー 日本ビクターで『四月怪談』(1988)、『バタアシ金魚』(1990)、『昭和鉄風伝 日本海』(1991)などをプロデュース。
7)成田亨 美術デザイナー。代表作:「ウルトラマン」(1966)、「ウルトラセブン」(1967)、『新幹線大爆破』(1975)
8)牛山真一 映画監督、ドキュメンタリー映像監督。代表作:『卒業プルーフ』(1987)、『ON AIR/オンエアー』(2001)、その他NHKドキュメンタリー番組多数。
