西岡 入社1年後くらいだったと思います。もう有無をいわせず、はい、国際線の訓練です、みたいな。基本的に受からないといけないというふうになってますね。
国内線と国際線は飛行機から違って、緊急時にどういう仕組みでお客さまの安全を確保するかという保安面をとにかくしっかり訓練するのと、食事をお出しするのも国際線からなので、その訓練もありました。
国際線では乗務員も「お客さまと同じものを、機内でいただきます」
――乗務のシフトはどうやって組まれるんですか。
西岡 総合職のかたが予定を組まれて、月末になったら翌月のシフトが知らされて、言われた場所に、言われたとおり、行く。
――最初のお話にもありましたが、かなり不規則な生活だったと。
西岡 不規則ですねえ。海外が入ると、夜の11時何分出社とか、そういうのが当たり前になるので。朝が早いほうが大変です。どちらにしても不規則ですね。
――国際線では、乗務員のかたはお食事はどうされているんですか。
西岡 基本的にお客さまと同じものを、機内でいただきます。お食事を提供するするギャレーというスペースがあって、一番後ろで交代制で食べていました。
航空会社4年勤務でわかった「体育会系の業界」
――乗務中はやはりお忙しいのですね。
西岡 時代もいまとは違うと思うんですけど、今日のフライトの目標をみなさんの前で発表するんです。今日はこれができるように。海外だったら、帰りのフライトでまた別の目標を自分でつくって、最後はそれができたかどうかまでブリーフィング、みんなで話し合う場があるんですよ。
たとえば、エコノミークラスのパーサーという取りまとめの役割を習熟している場合は、自分の業務だけでなく、「みなさんに滞りなく的確な指示ができること」を目標にして、それができていたかどうかを先輩に確認していただくとか。
――自分で振り返るだけでなく。
西岡 そうですね、けっこう体育会系の業界なのかもしれません(笑)。そういった精神みたいなものは、いまの料理の仕事をしていても、染み付いているなと感じます。
航空会社には4年しかいなかったんですけど、徹底的に事前に準備をするとか、始まる前にイメージしておくとか、そういうことを刷り込まれたんですよ。恐ろしいくらいに刷り込まれたので、たとえば料理のイベントをするときや、書籍の撮影をするときに、こういうアクシデントがあったらどうしよう、そのために何をしておけばいいかなど、なんとなく自分で想像するようになりましたね。

