人間が惹かれるのはノンフィクションよりフィクション

 あなたは病気とはいえないと思います。ただ、多くの人を楽しませる虚構を作る能力に常人ではとても手の届かない非凡なものを持っているのに、なぜその力を活かせない堅い職業に就いてしまったのか……。甚だ疑問です。

 どうしてその適性を活かそうと思わなかったのでしょうか。作家や脚本家になっていたなら、爆発的なヒットが狙えたかもしれないのに。

中野信子さん。

 今からでも遅くはないので、二足のわらじが可能なら、創作活動をなさることをお勧めしたいです。いつの時代もノンフィクションよりフィクションに人間は惹かれ、興奮するものです。あなたの素晴らしい虚構がいつか作品となり、大ヒットする日を楽しみにしています。

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中野信子(なかの・のぶこ)
1975年東京都生まれ。脳科学者、認知科学者。東日本国際大学教授、京都芸術大学客員教授、森美術館理事。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。医学博士。2008年から10年までフランス国立研究所ニューロスピンに勤務。著書に『サイコパス』(文春新書)、『新版科学がつきとめた「運のいい人」」(サンマーク出版)、『新版人は、なぜ他人を許せないのか?」(アスコム)、『児の脳科学』(講談社+a新書)など。「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)他テレビ出演も多数。

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