「見つかった時点で8~9割の人が末期」というスキルス胃がん
──フリーアナウンサーの逸見政孝さんがスキルス胃がんで亡くなり、進行が早いがんとして一躍名前が知られるようになりました。
ツレヅレ 比較的若い人がなりやすいがんで、発見が難しく、「見つかった時点で8~9割の人が末期」という特殊ながんです。「ここでは治せない」と3回転院しましたが、どの病院でも「(治療が)難しい」と言われました。たまたまスキルス胃がんの治療で有名な慶應大学病院で診てもらえることになり、外来で抗がん剤治療を進めることになりました。
──抗がん剤治療はいかがでしたか。
ツレヅレ すごくよく効いたんです。副作用もほとんどなく、胃がんとは思えないほど食欲も旺盛で、本人が「仕事に行く」というほど元気になりました。さすがに止めましたけど。もともとさっぱりした食べ物が好きだったのに、「何でも食べられる」と、カツ丼なんかも食べたので、病人食には見えないメニューばかり作っていた気がします。治療中なのを忘れるくらいピンピンしていて、たくさんの料理を作りました。
10カ月後には、「抗がん剤が非常によく効いているから」と、できないといわれていた胃の全摘手術を受けるために再入院しましたが、手術開始後すぐに別の場所に転移が見つかり、何もできずに手術を終えました。
つれづれ・はなこ/編集者。2004年より食をテーマにしたホームページ「ツレヅレハナコ」を始め、以降ブログ、Twitter、Instagramなどで提供し続けている食情報が人気を呼び、次々と書籍化されている。著書に『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコのじぶん弁当』(小学館)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)、漫画原案に『みつめさんは今日も完食』(小学館)などがある。
写真=末永裕樹/文藝春秋
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