歌手のレネ・リウはほとんどベッドで横になっている難役を
妊娠が判明するラーフー役は、台湾を代表する歌手・俳優のレネ・リウ(劉若英)。台湾の長編映画に出演するのは、中国合作『妻の愛、娘の時』以来8年ぶり、台湾単独製作では『星空』以来14年ぶりとなる。恋人のボーエン役は『疫起 エピデミック』やドラマ「女優:ボーン・トゥ・シャイン」などで知られ、歌手・ラッパーとしての経歴もあるシュエ・シーリン(薛仕凌)。どちらもユー監督が過去にMVを手がけた縁だ。
「ラーフー役はレネ・リウさんに演じてもらいたかったので、最初から彼女をイメージして脚本を書きました。私にとっては初の長編作品ですが、無事に引き受けていただき、ほとんどベッドで横になっている難役を見事に演じてくださいました。ボーエン役のシュエ・シーリンさんも、彼の世代の役者でこれ以上の人選はありません」
台湾では10月23日に劇場公開される。台北映画祭では客席が爆笑と感動に包まれ、大阪アジアン映画祭でも観客の涙を誘った秀作だ。世界各地の映画祭でも上映されており、「一生懸命に伝えれば、自分の言いたいことはちゃんと伝わる」という実感を得られたという。
「長年映像の仕事をしてきましたが、この映画を通じて、映像への理解がさらに深まりました。映像は見せ方ひとつで大きな影響力を持つ、あらゆる可能性を秘めているもの。CMやMVといった商業的な仕事を続けるなかで疲弊しつつありましたが、映画を撮り、観客との対話を重ねることで、今は本当に楽しいと感じています」
大阪アジアン映画祭での上映翌日(9月5日)には、新作脚本『阿嬤不見了(原題)』が、台湾の優れた新作映画脚本を表彰する「第47回優良電影劇本」の最終候補に選出された。「自分のやりたいこと、皆さんが観たいと思ってくださることについて、いい題材が見つかれば脚本を書きたい。これからも映画を撮り続けていきたいです」。
『私たちの意外な勇気』
STORY
敏腕女性マネージャーと若手ディレクターの事実婚カップル。毎日慌しい2人の前に、45歳の妻の妊娠という奇跡が舞い降りる。同時に浮上する結婚は? 家族って? 五月天の阿信がプロデューサーに名を連ねる注目作。
STAFF&CAST
監督:ショーン・ユー/出演:レネ・リウ、シュエ・シーリン、リー・ペイユー、ウー・ニエンシュエン、ジョン・チェンハン/2025年/台湾/111分


