ダンス経験なしのルーキーも
いっぽう、筱晴さんと同時に話を聞いたのが味全ドラゴンズのチア集団「ドラゴン・ビューティーズ」所属の佩霓(以下、Penny)さんだ。20代前半の彼女は今シーズンの4月にデビューしたばかりのルーキーである。
彼女はもともと、幼児教育を専攻していた大学在学中からモデルとして活動。卒業後に幼稚園教諭の資格試験に合格して実習を控えていたが、去年7月にドラゴン・ビューティーズに合格したので、チアガールになった。
「はじめは研修として、スタジアムで観戦しながら野球のルールを覚えました。4か月間は『練習生』の立場でレッスン。わたしはダンス経験がなかったので、先輩のお姉さんたちに教えてもらいながら特訓でしたね」
Pennyさんの同期は15人。8月末の取材時点では5人がまだ練習生で、彼女を含む4人が正規メンバーに昇格してデビューした。残る6人は、さまざまな事情で去っていったという。ダンスがハードで辞める人も多いようだ。厳しい世界である。
練習生の段階からグッズが販売
「練習生のときはまだ、汗をかいても落ちないメイクの方法を知らなくて、お化粧ドロドロになってました」
なお味全ドラゴンズの場合、チアの女性がまだ「練習生」の段階から、球団が個人の顔や名前がプリントされた応援タオルなどのグッズ販売をおこなうケースがある。ファンとしては、推しを練習生の段階から応援して育てて、見事に球場のステージに立ってくれるとアツい。どこかで聞いたことがあるような話だ。
「日本のAKBとかのアイドル文化の影響はあると思いますね。他のアイドルとか芸能人と違って、球場に行けば『会いに行ける』ので」
台湾チアガールがAKB的な文化に似ているかは当事者により意見がさまざまで、個人やチームによって感覚は違いそうだ。とはいえ、似たような動機で彼女らを推すファンは多くいると思われる。



