のんびりと明るく、和やかな家庭を
「礼宮さまとご一緒にのんびりと明るく、和やかな家庭を築けたらと思っております。後の質問についてでございますが、それについても、これからゆっくりと考えていきたいと思っています」
――それから36年の歳月が経ち、秋篠宮さまご夫妻の3人の子どもたちは全員成年を迎えられた。
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悠仁さまの成年式当日は、午前10時から、皇居・宮殿の「春秋の間」で成年式の中心的な儀式である「加冠の儀」が行われた。悠仁さまは、裾の長さが6メートルもある、未成年者用の装束「闕腋袍」を着て、頭には「空頂黒幘」と呼ばれる未成年用の黒絹の額当て、手には笏を持っていた。天皇、皇后両陛下や秋篠宮ご夫妻が見守っていた。
姉の佳子さまや愛子さまなどの皇族、石破茂首相ら三権の長らが参列する中、悠仁さまの頭から宮内庁幹部が、黒絹の額当てを外し、成年用の燕尾纓が付いた冠をかぶせた。冠を固定するひもの「掛緒」をあごの下で結び、ひもの両端を和ばさみで「パチン」「パチン」と、2度、切り落とした。
続いて悠仁さまは、両陛下の前に進み出て「本日は、成年式にあたり冠を賜り、誠にありがとうございました。天皇、皇后両陛下には、加冠の儀に御臨席を賜り、誠にありがとうございます」と、お礼のことばを述べた。両陛下は終始、立派に成長した甥に温かな眼差しを送っていた。
次に悠仁さまは、秋篠宮ご夫妻の前に進み、「本日は、成年式を挙げていただき、誠にありがとうございます。成年皇族としての自覚を持ち、そのつとめを果たしてまいりたいと存じます」と、お礼や決意のことばを述べた。我が子の晴れ姿を前にしたご夫妻は、感激で目が潤んでいるようにも見えた。

