プロポーズのお言葉とお返事は…

 1989年9月12日、皇室会議が開かれ、二人の結婚が正式に決まった。この後、秋篠宮さまと紀子さまは、揃って記者会見している。

「お互い、どのような点にひかれたのか」と聞かれると、秋篠宮さまは「話をしていて楽しい人。また、どことなく愛きょうがあるというか」、紀子さまは「ナマズやアヒルなどをかわいがっておられるお姿や、熱心に魚類を研究しているお姿に強くひかれました」「先生やお友達と語り合い、またギターを弾かれたりするご様子、そんなところにひかれました」などと答えている。

 さらに、プロポーズの言葉については、このようにやり取りを明かしている。

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秋篠宮さま プロポーズは……そうですね、確か昭和61年の6月26日だったと思いますけれども、『私と一緒になってくれませんか』と話した記憶があります。

紀子さま 私は『よく考えさせていただけませんか』と申し上げました。

1989年9月12日、記者会見に臨まれる礼宮さまと川嶋紀子さん(当時) ©時事通信社

昭和天皇の喪中、英国留学中でのご婚約

 当時は、この年の初めに亡くなられた昭和天皇の喪中だったこと、秋篠宮さまご自身が英オックスフォード大学に留学中であったことについても議論があった。「そういう時のご婚約決定をどうお考えになりますか。両陛下から反対はございませんでしたか」と記者から尋ねられた秋篠宮さまは、以下のように答えている。

「現在、留学中、喪中ということでもありますが、ここ1、2年の間に川嶋家(紀子さまの実家)の方にいろいろ問い合わせ等が多くなって、私としても責任のあることですので、早い時期に公にしたいと判断いたしました。それにつきましては宮内庁としても特に異議はありませんでしたし、両陛下から反対もありませんでした」

「朝見の儀」を終え、宮殿を出られる秋篠宮ご夫妻〔1990年6月29日撮影〕 ©時事通信社

 また、「ご結婚されると、独立され、宮家を営まれるわけですが、今後のご自身のあり方、抱負というものがございましたら」と問われると、次のように語られた。

「新しい経験となるわけですけれども、いろいろな方からお導きいただきながら、二人でいい家庭を築けたら幸いと思っております。皇族としての抱負といたしましては、天皇をお助けする立場でございますし、与えられた皇族としての仕事をひとつひとつ、大切に果たしていくつもりでおります」

 紀子さまには記者から、「ご結婚されたら、どんな家庭を築いてゆきたいとお考えでしょうか。また、お子さまは何人ぐらい、お望みでしょうか」という質問が上がった。