自分にない考えや異文化に交わることは、必ず活かされる
――5人きょうだいの末っ子という大家族で育ったことや、在日韓国人三世でいらっしゃることなども関係していますか?
南 もうそれは、全部関係していますね。大人数の中で育ったこともそうだし、出自もすべて、自分の人間形成に影響しています。
他人の意見を聞きたいタイプです。むしろ共感されるだけじゃ物足りなくて。自分と違う意見、視点を持っている人の意見を聞きたい。自分にない考え方や異文化と交わることは、必ず自分に活かされると実感しています。
こういう言い方をすると、すごく自信のある人間だと思われそうなんですけど、私は全然自分に自信がない。自分ひとりの意見なんてたいしたことない、私の脳みそで考えられることなんて微々たるものだ、というのが前提としてあるんです。ポジティブに考えている人の意見を聞くことで、自分の思いや意見の輪郭がはっきりしていくことが多いので、いいと思ったことはどんどん取り入れますね。そう、吸収力は強い。
――南さんを見ていると、常に、新しいステップに進まれているような印象があります。
南 これからもっと自由になるかもしれませんね(笑)。
南果歩が叶えたい“大きな夢”とは?
――公開中の主演映画『ルール・オブ・リビング~“わたし”の生き方・再起動~』もある意味で挑戦的な作品ですよね。アメリカ出身のグレッグ・デールさんが初監督、初脚本を手掛けられ、出演もされていて。
南 撮影は2021年にしているので、当時はコロナ禍の大変さが今よりありましたね。フェイスシールドをしながら演技していましたから。
撮影期間は3週間ほどでした。タイトなスケジュールの中、初監督を全員で支えようという空気が現場にあって。充実していましたし、刺激になりました。
――以前何かのインタビューで「叶えたい大きな夢がある」とおっしゃっていて。気になっていたんですが……。
南 映画、つくります。まだ詳しいことは言えませんが、海外で製作します。監督も決まっていて、予定ではありますが、来年には撮影に入ると思います。皆さんにいいご報告ができるよう頑張っていますので、もう少しお待ちいただけたら。
――その間はお仕事を休むのでしょうか?
南 俳優業は、ちょっと空く期間があるかもしれません。でも、いっぱい仕事しないと! 私、自分の生活費は自分で稼がないといけませんから(笑)。止まっちゃいられないんですよ。
撮影=三宅史郎/文藝春秋

映画『ルール・オブ・リビング~“わたし”の生き方・再起動~』
新宿ピカデリーほか 全国公開中
出演:南果歩、グレッグ・デールほか
監督・脚本:グレッグ・デール/脚本・翻訳:宮本弥生
配給・宣伝:株式会社バリオン
宣伝:HAPPY WOMAN®
宣伝協力:ギグリーボックス
ⓒMirus Pictures
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