「ますだおかだ」増田とは入社同期「カテゴリーが違うので比べるものではないですが…」

――広告代理店といえば、華やかなイメージを持たれる方も多いと思いますが、実際のところはいかがでしたか。

佐々木 僕は営業だったのですが、テーマ開発部という部署で、官公庁とか第三セクターの仕事がメインだったんですよ。クライアントは大阪市、大阪府、日本道路公団、建設省とか。大阪ドームをつくるコンペにも参加しました。あとは、関西国際空港の開港イベントの企画とか。開港するときにはもう(会社を)辞めてしまってたんですが(笑)。 

 まあ、そんな感じの仕事でした。みなさんが想像されるような、テレビスポット(CM)をばんばん打つとか、そういうのではなかったから、うちの部署は。夜遅くまで飲み会をするようなお付き合いもなかったです。

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――同期に、お笑いコンビ「ますだおかだ」の増田(英彦)さんがいらっしゃいます。先日も、佐々木さんのフォトブック「光へと向かう道~『ヨナ』が教えてくれたルーマニア~」の刊行記念イベントで、増田さんと「ますだささき」のコンビ名で漫才をされてらして、いまでも仲がいいのですね。

佐々木 増田はまったくの同期入社なんですよ。しま2つ先のデスクにいて、彼は非常にクリエイティブだから、営業部にいながらもいろんなアイディアを提案してましたね。会社にいたときから、根っからの芸人っていう感じでした。

 

 彼は9カ月で会社を辞めて、すぐにお笑いの新人賞をばんばんとって、M-1も初年度は中川家が優勝しましたけれども、次の年はもう(ますだおかだが)グランプリとってますからね。

――当時、影響を受けあったりされていましたか?

佐々木 カテゴリーが違うので比べるものではないですが、格好いいなあ、立派だなあって。僕も2年半で会社を辞めましたが、演劇を続けていただけなんで。

 会社を辞めて、俳優を仕事にし始めて、映画『間宮兄弟』(森田芳光監督)の主演をやらせていただいたときに、ますだおかださんがパーソナリティをつとめていた「オールナイトニッポン」に呼んでくれたんです。しかもまだ第2回目の放送で、いきなりゲストです。

 それで増田が、ぱらっぱぱっぱららぱっぱら(口ずさむ)ってあるでしょう、あのテーマ曲にのせて、お決まりの提供スポンサーを読み上げるんですけど、僕はそれを別のブースで聴きながら、「かっこいいー、いつも俺が聴いてたアレを同期が読んでるわー」って。涙出るほど感動しましたね(うれしそうに)。