また、純子さんの携帯には組織の関係者を名乗る者たちから次々とメールが届くようになり、本部長を名乗る男からはこんな指示をされた。
〈金沢はお前を助けるために会っているのだから、金沢がホテル代や食事代を払っているのはおかしいだろう。ターゲットにされたお前が払うべきではないのか。お前が支払った金は組織への上納金として評価する〉
お金と体を捧げ続けた“地獄の6年間”
こうして純子さんは金沢の相手をさせられる上、毎月2万円の上納金を支払わされることになった。それでも解放される日を願って、ひたすら金沢と会い続けた。ときにはホテルやマンションで10時間以上拘束されることもあった。
ところが、解放直前になって、「お前の姉をターゲットにする依頼が入った。担当者がムチャなことをしようとしたので、オレが殺してしまった。本部長の判断で姉の代わりにお前の拘束期間が延長されることになった」などという説明を受けた。
さらに「評価の内容がチェック方式になった。サービスが良かったら、拘束期間が短くなる。出来るものに○をつけろ」と言われ、一覧表を手渡された。そこには数々の性行為や犯罪行為がズラズラと並べられていた。
「私、犯罪行為はできません。万引きと中出しとビデオ撮影だけは絶対にイヤです!」
「オレもこんなことはしたくないけど、組織の上層部の命令なんだ。仕方ないだろ」
結局、その3つ以外は全部やらなければならなくなった純子さんは、完全に金沢の性の奴隷になり、査定の担当者を名乗る者からは〈お尻の穴まで舐めるのが評価の分かれ目になっています〉などと細かく指示され、本部長からは〈金沢が担当でなかったら、お前はとっくに死んでいる。評価が上がれば解放されるから、死に物狂いでやりなさい〉などと励まされた。
それから2年後、ついに解放される日がやってきた。ところが、そこでも本部長からの指示で、金沢とは縁が切れないことになった。
〈お前の解放に反対の人間がいる。金沢から離れれば、殺されるかもしれん。金沢は命の恩人なのだから、これからも会いなさい〉
こうして解放後も金沢と会ってホテルへ行く日が続いた。組織への上納金も支払い続けることになった。金沢の命令で彼氏とも別れることになり、友人もどんどん減っていき、結婚や出産もあきらめた。結局、18歳から24歳までの女性として最も花開く時期をすべて金沢に捧げることになった。