――伊藤さん、さらにもう1回売り子姿で働く写真を投稿してますよね。

伊藤 そうなんですよ。最初の写真の2日後ぐらいに投稿したら、それがもう超バズって、フォロワーも5万人くらいになって。ちょっと怖くなって消そうかなとも思ったんですけど、周りの同期の売り子たちが「絶対消さない方がいいよ」って言ってくれて。

 もう周りの子は「イケ、イケ」「また怒られたの? おもろ」みたいな感じで(笑)。私のキャラ的にルールを破るのが当たり前の感じだったので。でもインスタで有名になったこともあって、1日にビールを450杯売ったこともあります。

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1日に450杯売ったこともあるという(写真=本人提供)

西武ドームで働いてオールして東京ドームで働いて…

――今の話だと東京ドームでも十分稼げていると思うんですが、西武ドームとダブルヘッダーで働いていたというのは本当ですか?

伊藤 働いてました。東京ドームがちょっと物足りなくなっちゃって。西武ドームって、なんかしがらみもなくて楽だったんですよ。自由に出勤できるし、お小遣い稼ぎでとりあえず行っとくかみたいにやってました。

 逆に東京ドームは絶対出勤しなきゃいけないんで。先輩ともだんだんと仲良くなっていくと、仕事終わりに「この後飲み行こうよ」と誘われるようになって。それで東京ドームで働いた後にオールして、その後に西武ドームで働いてとやってました。

――えっ、徹夜して働いてたんですか?

伊藤 はい。金曜がナイトゲーム、土曜がデーゲームだとだいたいみんなオールした後に行ってました。誰かしらの家に行って、シャワーだけを浴びて、また球場に行く。でも、その方が売れるんですよ。アドレナリンが出るみたいで(笑)。

 東京ドームで働いて、オールしてそのまま西武ドームで働いて、家で仮眠して、それで東京ドームに行くこともありました。

――タフすぎますね。いったい月にどれくらい稼いでいたんですか。

伊藤 月に80万円ぐらい行ったこともありました。だから税金がやばくて。

 

売り子全員に同じDMでナンパしてくる選手も

――ビール売り子として働いていて、野球選手からのナンパとかはあるんですか?

伊藤 ビール売り子の投稿がインスタでバズった時にDMがめっちゃ来ましたね。でも1回も返信したことはないです。売り子の友達からは、スクショしといた方がいいってアドバイスもらいました(笑)。

 売り子全員に同じ文章のDMを送ってくる選手がいて、売り子仲間との飲み会で「何で、こういうところで話が回るって分かんないんだろうね」って話してたぐらいで。

――直接選手に声をかけられることもある?

伊藤 東京ドームはそもそも選手と売り子の入り口が違うんです。なので東京ドームで出会うことは一切ないんですよ。だからナンパとかも絶対できない。でも西武ドームは選手と売り子の入り口が近くて。そこでナンパされることはありましたね。

撮影=石川啓次/文藝春秋

〈つづく〉

次の記事に続く 「医者から『死ぬかもしれない』と…」26歳で病気発覚→7度の全身麻酔手術を経験した元“可愛すぎるビール売り子”伊藤愛真(28)が語る、壮絶な闘病生活

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