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細々と営業を続けていたが…
京橋の発展のすぐ近くで、片町駅も細々と営業を続けていた。
当時もれっきとした片町線(学研都市線)の大阪方終着駅だったのにもかかわらず、文字通りの“細々と”。末期には、片町駅の1日のお客は8000人を下回っていた。京橋駅は16万人ほどだったから、実に20分の1。
10分も歩かずとも駅ビルの聳える巨大ターミナル・京橋があるのだから、片町駅が日陰に甘んじるのも当然だろう。
そうして1997年3月、片町駅は廃止される。直接の理由は、学研都市線とJR東西線の直通運転開始だ。
片町駅付近は地下化され、片町交差点付近にはJR東西線の大阪城北詰駅が設けられている。いわば、片町駅の後継駅のようなものだ。
ただ、“ヒガシのターミナル”としての片町駅のDNAは、傍らで急速な発展を続けてきた京橋駅に受け継がれたといっていい。
片町駅が単独のターミナルだったのは、1895年から1898年までのわずか3年間。それからおよそ100年にわたり、傍らで発展する京橋駅を横目にひっそりと列車を見送り続けた。
ヒガシのターミナル・京橋には、そんな片町駅の無念さも宿っている……というのはいささか言い過ぎだろうか。
写真=鼠入昌史
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