友人に「もう死にそう」とポロッとこぼした結果…

――結局どうしたんですか。

近藤 どうしようもなくて、友達にポロッと「もう死にそう」とこぼしたんですよ。そうしたらその友達が「知り合いに当たってみる」と言ってくれて。そうする間に人がどんどん集まり、グループラインを作って「この日は仕事の前に送迎行けるよ!」とザザーッとスケジュールを入れてくれて。

――すごい。

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近藤 私自身が特別お友達が多いというわけではないんですが、相談した大親友2人がものすごく尽力してくれて。おかげで息子を無事に保育園に預けることができたんです。彼女たちには本当に助けられましたし、感謝しています。

 

「みんな『喉元過ぎれば』になっていないか」苦労した保活から感じた日本の課題

――保活で大変苦労されたと思いますが、その経験から感じた日本の課題などありますか?

近藤 とにかく選挙に行って、投票しないと社会は変わらないと思うんです。私が保活をしていた当時はまさに「保育園落ちた日本死ね」のあの時代だったんですよ。

 待機児童問題はその頃から比べると、少しずつではあるものの解消してきつつあるそうで、あの痛みを経験した人間としてはホッとする部分もあって。

――当事者になって初めてわかる問題のひとつではありますよね。

近藤 当事者の人たちが声を上げることはもちろん大事で、生の声を政治家の人に届けることに繋がると思うんですが、みんなどこか「喉元過ぎれば」になっていないかなと。

「あのとき大変だったからわかるよ」「私も署名に協力するよ」保活経験者の声が大きな力に

――その時期を乗り越えちゃうと、また他人事になってしまう場合もありますね。

近藤 保育園を卒業したら次は小学校の問題が出て来たりと、みなさんそれぞれ大変なことに対峙しているので、それどころではないというのも確かなんですよ。

 ただ、それでは「当事者だけの問題」にされてしまって、いつまでも制度が変わっていかないんじゃないかとも思うんです。

 

――当事者世代の声しか反映されないと、その数はどんどん減っていく一方ですものね。

近藤 保活の経験をしていない人がその大変さを想像するのは簡単ではないかもしれませんけれど、経験をした人が忘れないでいてくれて、「あのとき大変だったからわかるよ」とか「私も署名に協力するよ」と声を添えてくれるだけで大きな力になると思うので。