「つらいお笑い」の概念がないんだと思います
――強くないツッコミのお話がありましたが、以前、相田さんがラジオで「つらいお笑いはもうしない」って仰っていて面白いなって思ったんです。
相田 そんなカッコいいこと、俺、言いました?
小宮 僕が「こっちはこんなに毎日つらいお笑いやってるのに、相田はなんで呑気なんだよ!」っていう話した時の流れで言ってたよ。
相田 あ、思い出した。それで、一人暮らしを始めたからうちでのんびりラジオやろうって言って、実際に小宮たちが来て……。
小宮 これまでのお笑いのセオリーだと、人の家に行ったら、とりあえずCDをバーッて散らかしたり、めちゃくちゃにするのが「常識」なのに、一切やらなかったんだよね。相田が「そういう古い笑いはもういい」って言うから(笑)。
相田 で、本当に穏やかな番組になったという。餃子作って、エミネムかけて(笑)。
小宮 僕らは激しい体育会系のお笑いをやってきたわけでもないから、自然と「つらいお笑い」の概念がないんだと思います。
相田 でも、テレビでそういうの観ると笑っちゃうんだけどね。
小宮 そういうのが何かとやりにくくなっている風潮っていうのは、少し寂しい気もしますけどね。
相田 ただ笑えればいい、というのとは違ってきているんだと思います。
久々に二人でロケに行くと「ああ、心強いな」って
――お互い別々に、ピンの活動をすることも増えてきていると思いますが、それで気持ちがすれ違ったりしませんか。
小宮 ピンの仕事が増えて思ったことは、久々に二人での仕事でロケに行ったとするじゃないですか。相田が進行していくわけですけど、「ああ、心強いな」って思っちゃう(笑)。
――離れることが増えると、お互いの大事さが分かると。美しいですね。
相田 小宮がピンでこんな仕事した、僕がナレーションの仕事でこんなことがあったって、お互い知らないことを持ち帰って、近況報告を1週間に1回、ラジオでしてる感じもありますね。これはこれで面白いし、コンビにとっては大きいのかなって思います。
――これからの目標があるとすれば、どんなことなんでしょうか。
小宮 食べていくことが大目標なんですけど、具体的な目標はオールナイトニッポン1部昇格ですね(笑)。
相田 そうだね、タク券出るようになるし。僕も目標はそれですね。
小宮 2部は入りの時間も早めに設定されてるんですけど、それも終電があるうちに来いってことですから(笑)。終電で来て、始発で帰る仕事。これを脱したい。
相田 現在4年目に入ったところですけど、まずはこの2部のオールナイトを長く続けていきたいですね。そして然るべき時に1部に上がって、タクシーで家まで帰りたい(笑)。
さんしろう/1983年生まれの相田周二(あいだ・しゅうじ)、小宮浩信(こみや・ひろのぶ)によるコンビ。2005年結成。マセキ芸能社所属。レギュラーを務める「三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」は放送4年目を迎えた。
写真=山元茂樹/文藝春秋