擬人化や比喩表現で「宝石箱」の応用編が次々と

――キラーコメントが出て、自分でも「よっしゃ!」と思いましたか。

彦摩呂 いや、意外と冷静で。カットされると思ってました。オンエアを見たら使われていたので、「あっ、アリなんや」と。それから、擬人化したり、比喩表現しようと考えたんです。

 回転寿司に行ったら「お寿司のガールズコレクションや~」。うに丼でご飯が見えてたら、「うわぁ、見てください。どんぶり界の三丁目の夕日や~」とかね。鮭イクラ丼だったら「わあ、見てくださいよ。どんぶりの親子面談や~」とか。

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 気に入ったものは何回でもこするし、時事ネタを入れたりもして。AKB48が流行ってるときは、「うわぁ、カレースパイス何種類入ってんねや。スパイスの総選挙やん」とか。いまやったら、ラーメンの替え玉をどんぶりに入れる時に、「わあ、大谷翔平のスライディング」とか。そうやって乗り越えてきましたね。

 

――「宝石箱」で比喩表現を始めてから、一気に認知度も人気も上がったのですか。 

彦摩呂 2年か3年したぐらいですかね。おかげで2007年、2008年あたりが、キャリア的に最も忙しかったかな。グルメリポーターの仕事も増えたけど、『HEY!HEY!HEY!』や『堂本兄弟』とか、呼ばれることはないだろうと考えていたジャンルの番組に呼ばれるようになって。

 どっちも音楽番組なのに、「おすすめのハンバーグの食べ方」とかいうてリポートしましたね(笑)。ほんと、ありがたいですよ。

石ちゃんの「まいうー」がずーっとうらやましかった

――意識していたグルメリポーターなどは。

彦摩呂 僕は石ちゃん(石塚英彦)の「まいうー」が、ずーっとうらやましくてしかたなかったんです。ああいうのが欲しかったんですよね。たしか「まいうー」のほうが早くて、僕の「宝石箱」は後なんです。

 唯一無二のフレーズがあるとキャラ勝ちもできるから、「いいなあ」と思ってましたもん。でも、グルメリポーターというかデブ界って意外に棲み分けができてるし、みんな仲がいいんです。ダジャレと「まいうー」の石ちゃん、ワーッとかき込む「わんぱく食い」の内山信二君、「宝石箱」の僕といった感じで。