「うわぁ、海の宝石箱や~!」「お肉と野菜とタレの騎馬戦や~」など、独特のセンスに満ちたフレーズを繰り出すグルメリポートでお馴染みの彦摩呂(59)。
今年で芸歴37年目を迎えた彼に、グルメリポーターとして活動するようになった背景、芸名「彦摩呂」決定の経緯、名フレーズ「海の宝石箱」誕生などについて、話を聞いた。(全4回の3回目/続きを読む)
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北島三郎さんとは家族ぐるみのおつきあい
――『刑事貴族』で共演した松方弘樹さんから飲み代として渡された茶封筒を開けたら、声が出るほど驚いたと。
彦摩呂 開けたら、なんと10万円も。僕らが行く焼き鳥屋は1本80円なのに、10万円。それに味をしめて、「これからは、お兄ちゃんいるときに飲みに行く話しようぜ」なんていって、またもらおうとして(笑)。
――気風がいいですね。
彦摩呂 京都の撮影所に行くときも「俺の楽屋を使え。俺が言っておくから」とかいって。
――京都に縁のなかった俳優がポッと行ってしまうと、いろいろとあるわけですか。
彦摩呂 「どこの馬の骨の人かわからんよ。あいさつなかったらようせんよ」というね。松方さんのおかげで、もう扱いがぜんぜん。「彦摩呂ちゃん、ようお越し。ここ座りなはれや。お兄ちゃんから聞いてまっせ」いうて。
『刑事貴族』では、(水谷)豊さん、地井武男さんにもよくしてもらいました。豊さんなんて、いまだにすごいかわいがってもらってますしね。あと、北島三郎さんもお世話になっていて、北海道の実家にお邪魔したり。
――北島さんとの親交は、どんなきっかけで。
彦摩呂 サブちゃんの大ファンなので、コンサートに行ったり、楽屋にご挨拶に伺ったりするうちにですね。それに、北島さんの姪っ子さんと僕が友達なんですよ。
もう家族ぐるみって感じで仲良くさせてもらっていて、「彦摩呂。おまえ、ちょっと痩せろ。うちの大江裕だと思ったわ。大江は痩せたぞ」なんて言われましたね(笑)。
持ち前の人懐っこさを生かしてリポーターに
――大御所から可愛られていたんですね。
彦摩呂 人懐っこかったんでしょうね。「人に会いたいから、情報番組のリポーターさんになりたいんです」って事務所の社長に直談判したくらいですから。自分でも天性の人懐っこさだと思っていたので、仕事に生かしたいなって。それでリポーターをやらせてもらったんですよね。
――リポーターとしてデビューした番組が、『山田邦子の旅くらぶ』(日本テレビ・1990年~1991年)。
彦摩呂 そうです。最初はお試しだったんですけど、翌週からレギュラーにしてくれたんです。楽しかったし、うれしかったですね。映画だと名前が出るのはエンドクレジットだけど、情報番組なら「こんにちは!」と言った瞬間に「彦摩呂」って出るので、名前を覚えてもらえるのがなんともうれしくて。
