新四段たちが語るアピールポイント

――自分の売り、ここを見て欲しいというアピールをお願いします。

岩村「三段リーグに初めて参加した時は三間飛車だけを指していましたが、なかなか勝ち星を積むことができず、4期目から居飛車を取り入れました。今期は両方を取り入れた複雑な戦い方をして、それがうまくいきました。

 自分が指す将棋に関しては今日は振り飛車か居飛車かみたいな楽しみ方をしてもらえればと思います。あとは自作の詰将棋を色々発表するかもしれないので、そちらも注目してもらえればと」

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岩村凛太朗新四段

生垣「基本的に振り飛車を指します。今期のリーグは必ずしも内容はよくありませんでしたが、穴熊を採用して逆転できる将棋が続きました。大胆な将棋を皆さんに見ていただけたらと思います」

片山「居飛車党で得意は相掛かりです。割とオーソドックスな将棋ではあると思っています。時には終盤で人を驚かせるような手を指して、そこを注目してもらえればいいですね」

山下「序盤があまりうまくない居飛車党です。得意戦法は難しいですが、角換わりを指向することが多く、難解な終盤を考えるのが好きですね。そこでの指し手や読みなどを見てもらえればうれしいです」

それぞれが目標とする棋士は?

――目標とする棋士、今感謝を伝えたい存在はいますか

岩村「目標としたい先生は大勢います、序盤戦術では小学生の頃から佐藤先生(康光九段)と山崎先生(隆之九段)、藤井先生(猛九段)に憧れがありました。三段リーグが同時期の藤本先生(渚六段)は中終盤力が高く、目標としている存在です。

 師匠(飯塚八段)には先ほど感謝を伝えました。他には今期リーグの始まる少し前から郷田先生(真隆九段)に教わる機会があり、地力が上がったと実感できました。郷田先生にも感謝しています」

生垣「目標は菅井先生(竜也八段)、久保先生(利明九段)、長い間振り飛車で戦った棋士です。感謝は応援してくれた両親、師匠(井上慶太九段)に、そして今期は一門の奨励会員と研究会をしていたので、その会員にも伝えたいです」

片山「目標は伊藤先生(匠叡王)、同じ居飛車党で研究が深く、終盤も強いです。棋譜を見て良く勉強しています。感謝は師匠に伝えたいです」

山下「憧れというか目標というかが、大山先生(康晴十五世名人)。大山先生のように崩れない将棋がかなり好きで、自分も少しでも近づけたら。感謝は今まで将棋を教えてくれた多くの棋士の先生、師匠、続けることをさせてくれた両親に伝えたいです」

「トップ棋士まで登りつめたい」

――プロ棋士としての目標をお願いします。

岩村「勝ちたい、強くなりたいは前提で、序盤の構想を自分自身で考えて指したいです。独自の構想を捨てずに、トップ棋士まで登りつめたいです」

生垣「ここ数年は振り飛車は苦しいとされていますが、人間特有の将棋というか、新しい振り飛車の形を模索して行けたらと思っています」

片山「三段が長く、プロになるのが精一杯で、すぐに活躍する想像はあまりできませんが、人一倍努力して、勝って行けたらと思います」

山下「具体的な目標は特にありませんが、1局1局少しずつ内容をよくして行けたら結果につながるのではと思います」

昇段決定後の打ち上げにて

――奨励会時代を振り返って、印象に残ることなどがありましたらお願いします。