SDN48の元メンバーで、現在はキャスター、ラジオパーソナリティとして活躍中の近藤さや香さん(41)。慶應義塾大学を卒業後、幼稚園の先生や社長秘書などの仕事を経て、25歳でSDN48に加入。グループ解散までの約3年間、アイドルとして活動した。現在はシングルマザーとして仕事と育児に奮闘している。近藤さんがアイドルになるまでの道のりや、産後の苦労について話を聞いた。

近藤さや香さん ©文藝春秋

「舐めんじゃないよ」と怒られ続けた地獄のレッスン

 近藤さんがSDN48に入ったのは25歳のとき。会社のパソコンで業務中に「AKBのお姉さん募集。あなたの夢をサポートします」という告知を見つけて応募したという。オーディションで「平日の仕事を辞める気はあるか」と聞かれ、「あ、辞めます」と即答。その覚悟が評価されたのか、数ヶ月後には加入が決まった。

 しかしデビュー前のレッスンは想像を絶する過酷さだった。

ADVERTISEMENT

「二度と戻りたくないですね。始発でスタジオに来て、終電で帰るまでずっと踊り続けるんですよ。朝ごはんだけはコンビニとかで各々買って来て、ひたすら振付を叩き込まれ、『そんなんで大丈夫だと思うのか』『舐めんじゃないよ』と怒られて」と近藤さん。

「お昼になったら届いたお弁当を急いでかき込んで『はい始めるよ』みたいな。夕方になったらまたお弁当が届いて、食べて、また踊り続ける」と振り返る。

「AKBのお姉さん」というコンセプトでデビューしたSDN48(写真=本人提供)

「真夏でもシャワーすら浴びられないことがあって」アイドル時代の多忙な日々

 休日もなく、毎日泣かない日はなかったという。「メンバー同士で喧嘩する暇もないし、脱落する子が続出するような地獄の日々でした」と当時を振り返った。

 SDN48としての活動は多忙を極め、「真夏でもシャワーすら浴びられないことがあって。私はお風呂が大好きなので、それが本当にきつかったです」と明かす。

 一方でファンからのお手紙に励まされることもあった。「具体的に『この曲の、この振付の時の表情が可愛かった』とか『辛くないか、大丈夫か』とか書いてあったりすると、『見てくれているんだな』と思えてすごく嬉しかった」と近藤さん。

 SDN48を卒業後、31歳で結婚・出産したが、その後育児と仕事の両立に苦労した。

「ボートレーサーってレース中は遠方にいて不在ですし、連絡もできなくて。もちろん仕事だから仕方がないので、なんとか一人でやるしかないと。とにかく、子どもの命をつなぐことに必死でした」と振り返る。

 

「体重が36キロまで落ちてしまった」出産後に経験した苦労

 産後、子育ての日々は体力的にも精神的にも限界だったという。「夜泣きが1歳半くらいまで続いたので、睡眠は全然取れていませんでしたね。だからどんどん痩せていって、身長が162センチなのに体重が36キロまで落ちてしまって」と明かす。

「体の不調を治す体力すら残っていなかった」という近藤さん。精神科医をしている友達に相談をしたこともあった。

 現在、息子は小学4年生。「お留守番も少しずつできるようになった」といい、ようやく自分の時間が取れるようになったという。「やっと自分の時間が取れたり、ベビーシッター代が貯金に回せたりすると思うとすごく大きいです。これまで、本当に長かったですね」と話した。

 子育てで大切にしていることは「嘘だけはつかないでね、というのは常々言っています」と語る近藤さん。「親が私を信頼して、一番の味方でいてくれたからこそ、メンタルが強めなんです」と自身の経験を踏まえて、息子への思いを語った。

◆◆◆

 このインタビューの本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

次のページ 写真ページはこちら