豪華メニューを楽しめるバイキング

 出港からしばらくしたら、いよいよ夕食バイキングの時間だ。

 数百キロを航行する大型フェリーには、普通のレストランのような厨房があり、腕を振るって数百人分の料理を提供している。

船内レストランのバイキングの様子。これを楽しみにフェリー旅をしている人も多いかも?(許可を得てオープン前に立ち入り撮影)

 この日のメニューは「照り焼きハンバーグ」「鯖の南蛮漬け」「筍の土佐煮」といったおかずに、フライや揚げ物、焼きそばなど。いちど乗船したからには食べたい「さんふらわあカレー」、色とりどりのデザートなどがある。胃を休めようと麦味噌の味噌汁を飲んだら、これがまた香ばしく……メインメニュー以外ももちろん充実しているのである。

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和洋中、さまざまなメニューが並ぶ
子どもの乗船も多く、ケーキも猛烈な勢いでなくなっていく

 さんふらわあは、航路によってオリジナルハンバーグを開発したり、大分航路だったら地魚料理をそろえるなど、昔から名物メニュー・ご当地開発へのこだわりが半端ではない。ただ、調理作業では「波に揺られるか、揺られないか」という地上との違いもあり、何かと苦労も多いのだとか。

 この日の記念運航でこだわったのは、就航地である「鹿児島のウマいもの」。レストランでは、この日だけの特別メニューとして、スタッフによると「採算度外視」である、鹿児島県の黒毛和牛「石原牛」のローストビーフが提供された。案の定、ものすごい行列ができていた。

記念運航の目玉、石原牛のローストビーフ

 船内のレストランや売店に就航地の名産品が並び、食べた人が現地に降り立った後、「あれがまた食べたい」と店を探して食べに行ったり、帰りのフェリーで購入したり。長距離フェリーのレストランは「就航地の魅力のショーケース」なのだ。

 50周年記念運航であったこの日には、鹿児島県「ひふみよブリューイング」によるクラフトビールの移動販売もあり、鹿児島の美味しいもの尽くしであった。