ここまで耳を疑う事件というのも、近年なかなか例がないのではないだろうか。
今年9月、大阪府浪速署は強要や暴行の疑いで、大阪市内のトレーディングカード店オーナーと従業員の男性3人を逮捕したと発表した。容疑者3人は、被害者である元同僚の男性(以下、A)に対して、排泄物を混ぜたインスタント食品を無理やり食べさせるなどしたという。その他、逮捕時の報道ではAの陰部にアルミホイルを巻いてコンセントに差し込み感電させるなど、とんでもない内容も明らかになっている。
3人の逮捕は前述の通り、9月に警察発表があった。一方で、一連の事件についてはその約1カ月前から裁判が始まっており、すでに報じられた内容の詳細が明らかになり始めている。同裁判の一部を傍聴しているライターの普通氏が、裁判での被告たちの様子や、事件の詳細をまとめた。(全2回の1回目/続きを読む)
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主犯は「地域のアニキ」的な人物 カード店以外にコンカフェやバーも経営
10月初旬の時点で、被告人の3名は別々の日程にてすでに1~2回目の公判を終えて、次の公判を待つ状態である。
筆者が傍聴したのは、トレーディングカード店オーナーの山下諒被告の2回目公判、ならびに山下被告の店で働いていた共犯者である橋本充輝被告の1回目公判だ。余罪が一定数見込まれており、今後の見通しは明確になっていない。山下被告、橋本被告ともに、起訴事実を認めている。
『週刊文春』によると、主犯格の山下被告は10代からカードゲームに熱中し、市内のカードゲーム店に入り浸っていた。幼少期を知る人物は、生意気な印象があったものの「明るくて楽しい奴」だったという。
そんな山下被告は、馴染みだったカードゲーム店が閉店したことで変化し始めた。同じく『週刊文春』既報では、当時の山下被告を知る人物による証言として、山下被告がSNSに投稿する内容や遊ぶ相手の属性がどんどんと変わっていき、不動産や投資で稼ぐ様子もアピールするようになっていったことを明らかにしている。
その後、トレーディングカード店を経営するようになり、他にもコンセプトカフェ(コンカフェ)やバーなどのオーナーとして、地域の“アニキ”的なキャラになっていった。当時から、いたずらで大量の調味料を入れた食べ物を友人に食べさせるようなこともしていたという。

