“パティシエ”調理員がふるまう甘味も
ちなみに海上自衛隊は、陸海空自衛隊のなかでも、特に優秀な給養員(調理員)が揃っていることで知られる。しかも「かが」や「いずも」のような大型艦は長期航海が多く、洋上生活中は娯楽が少ないので、その間、乗員の舌と胃袋を満足させるため、様々な工夫が施されている。
調理室には、最新鋭艦の「かが」「いずも」でも帝国海軍以来となる、蒸気で飯を炊く釜に加え、「間宮羊羹」で有名な帝国海軍の給糧艦(戦時下の戦闘海域にまで糧食を各艦に補給する)の伝統からか、クロワッサンやケーキを焼くオーブンも備わり、パティシエともいえる専門の給養員までいるくらいである。
閉鎖空間の狭い艦内で、そんなに美味い食事を3食毎日食ってたら太るんちゃうか……と不安になられる乗員の家族の方々も心配ご無用。艦内は狭いラッタルを一日何度も上り下りするから、それだけでも結構な運動量になる。
しかも「かが」は最大級の護衛艦である。先代と同じく全長は250m弱、飛行科の第5分隊などは、飛行甲板を1日何往復も駆けまわるのである。もうそれだけでマラソン並みの運動量になり、太っている暇などない。
湯船の湯もトイレの水も海水
航海中の乗員は24時間、3交代制の当直があるので、昼食と夕食間の甲板掃除(艦内清掃)と、その後の巡検時以外は入浴も洗濯もできる。
ちなみに「かが」は1日60トンもの造水能力があるものの、艦内生活では節水が徹底しており、湯舟に張られた熱々のお湯も海水。日焼け肌にはしみるが体が芯から温まると好評である。
さらにトイレの水も海水であり、尿がアンモニア成分により化学反応して結石するからという理由で、自動で定期的に流される。もちろん大便器にはウォシュレットが完備されている。
また日没後は夜間航行に目を慣らすため、艦内は薄暗い赤色灯のみが点灯される。この年齢になって、暗い足下と金属の突起物が多い夜間艦内を歩くのは不安であった。
変わったのは長方形の飛行甲板だけではない。“空母化”改装前より艦首に角度が付いたため、投錨室から吃水線が見えづらくなり、視認性ラッタルも装備された。
その他、細かいところでも様々な改修が行われた。
撮影=宮嶋茂樹
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