その後は日活をはじめポルノ映画のオファーが殺到したがそれは引き受けず、グラビアで大胆な水着姿などを披露するようになり、週刊誌を席巻。
26歳の時には初ヌードを含む写真集を発表。特に映画『続エマニエル夫人』の監督であるフランス人のフランシス・ジャコベティが撮影した写真集「別冊スコラ2 朝加真由美写真集 翅をください」(82年/講談社・スコラ)はシースルー衣装から透ける形のいいバストトップが話題となった。
「立ったままじゃ疲れるでしょ? 座ってください」
27歳で出演した『汚れた英雄』(82年)のヒロイン役もそうだ。
草刈正雄演じる主人公の恋人のひとりを演じ、惜しげもなく全裸を披露。日焼けした褐色の肌をさらし、一糸まとわぬシャワーシーンやホテルのプールサイドでの情事、そしてデラックスな部屋でのベッドシーンと、バブリーなラブシーンで観客を魅了した。
その頃から実力派女優の評価が固まり、ドラマの出演本数は数えきれないほどに。28歳から出演した『暴れん坊将軍Ⅱ』(83~87年)で松平健に仕えるくノ一・さぎり役として記憶している人も多いかもしれない。
一方映画の出演本数はそれほど多くないが、『海猿 ウミザル』(04年)や『Dr.コトー診療所』(22年)などの大ヒット・話題作にコンスタントに顔を出し続けている。
筆者は『ウルトラマンタロウ』のヒロイン役時代の朝加にひと目惚れし、後年知り合いのプロデューサーに頼んで彼女のサインをいただいたが、黒のマジックペンを手にしつつ終始「本当にあたしのなんかでいいの?」と繰り返し聞いていたという。
テレビドラマの記者会見では、椅子に座っている朝加さんを取材する側が立っていると、傍にあった椅子をすっと差し出し、「立ったままじゃ疲れるでしょ? 座ってください」と我々取材記者にさりげない気配りを見せるなど、常に自然体で飾り気がないにもかかわらずじつに優しさにあふれていた。





