Co.慶応 飲み会で「何かやって」と言われることはありました。でも、3年目以降は仕事は仕事と完全に割り切るようになったので、そういうのもやらなくなりましたね。仕事が終われば、自分で主催するラップの劇やYouTubeなど、やりたいことをやる、という生活でした。
——お金のために入ったという会社でしたが、働いてみたら楽しくなっていったりしたんですか?
Co.慶応 うーん、楽しかったことは1個も思い出せないですね。ブラックとかそういうことでは全然なくて、むしろこんな僕にも優しくしてくれて感謝はしているんですけど、楽しいと思えることは1つもありませんでした。本当にお金のためだけに働いている感じで、3年目くらいに一度耐えきれずにワタナベプロの養成所の面接を受けたこともあります。
——働きながら、ですよね。
Co.慶応 そうですね。募集を見かけて、お笑いは好きなので面接を受けたら合格したんですけど、さすがに会社に怒られそうだと思って辞退しました。でも結局、会社に入って9年目のお金も少し貯まってきた頃に、「もう1回合格したら今度こそお笑いを目指そう」と思って面接を受けて、合格したので会社に通いながら1年間通いました。
年収1000万円を捨てる決断に「せっかく大手に入ったのに……」
——会社には秘密ですか?
Co.慶応 秘密にしてましたね。それで1年後、養成所を卒業して事務所にはいるタイミングで会社を辞める決断をしました。
——待望の年収1000万円が見えたタイミングだったとのことですが、退職は恐くなかったですか?
Co.慶応 芸能の仕事がどうなるかは全然わからなかったですけど、結婚もしていなかったので貯金が2500万円ほどのたまっていたのが心の支えでした。そもそも芸能事務所に所属したうえで会社員と両立するのは完全に無理でしたしね。
——親の反応はどうでしたか?
Co.慶応 親は見守ってくれているので、基本的に何か言われることはなかったのですが、この時ばかりは「せっかく大手に入ったのに……」とこぼしていましたね。
——ただ、2度も受けて入ったナベプロを1年で辞めています。何があったのでしょう。
Co.慶応 会社員時代の途中からYouTubeで「歴史ラップ」をやっていて月数万円くらいの収入にはなっていたので、事務所に所属して仕事が増えれば生活できるかなと思ってたんですよ。それが実際には逆で、ほとんど仕事は増えないのに、YouTubeの収益も半分くらいが事務所に入るという状況でした。仕事が増えるならそれでもよかったんでしょうが、メリットを感じられず1年で辞めました。




