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せっかくなので船に乗ってみる
船が対岸にいるときは、ブザーを押せば5分ほどでやってくる。横須賀市民は大人200円、市外の人は大人400円ナリ。
船頭さんに「片道? 往復?」と尋ねられた。どうやら往復するだけで元が取れる600円のワンデーパスがあるようだ。
今回は片道だけの乗船だったから、400円を船頭さんに手渡しで支払った。
そんなこんなで小さな船に揺られること5分ほど。外洋に近いから、風が強いとやや揺れる。
船酔いする人は大変そう……と思ったところで、ほんの5分で対岸に着くから、まあ問題になることはなさそうだ。
吉田松陰、源頼朝もゆかりの地
対岸の渡船場に着いて陸に上がると、その脇に小さな記念碑が建っていた。「吉田松陰・佐久間象山相会処」。説明書きによれば、この場所には徳田屋という旅館があったらしい。
江戸時代後期には松平定信も泊まったという由緒ある旅館で、ペリー様ご一行来航の折には吉田松陰も訪れた。そこで佐久間象山と出会い、日本の未来を語り合ったとか。
さらに東の渡船場のすぐ近くには、東叶神社というお社もある。ここもなかなかの由緒があって、平安時代末期の平家全盛時代に源氏再興を願って創建されたという。この願いは源頼朝によって実際に成就したことで、叶大明神などと呼ばれるようになった、と由緒書きに記されていた。
幕末、咸臨丸がアメリカに赴く際には勝海舟がここで断食した……などという話も伝わっている。
と、まあとにもかくにも歴史的なエピソードがふんだんに転がっているのが浦賀の町なのである。




