「望むデザインの義眼が欲しい」という気持ちのたかぶり
――そういう状況だと、会社の対応が変わることは期待できない気がしますね。
Rib はい。愚痴っぽくなってしまうんですけど、業務量も過多気味でした。
それに、かわいがってくれた祖母が危篤になる直前、肺に水が溜まってしまって、もう数日で危なくなるかもというので「お見舞いに行きたいのでお休みをください」とお願いしたら「そんなことくらいで休む?」みたいな空気になって。
――有給休暇をもらえない感じですか?
Rib もらえるんですけど、有給休暇についてなんの権限もない社員の人がすごく嫌味を言ってきたりとか。いわゆる御局様が幅を利かせているんです。
――あまりいい環境じゃない職場ですね。
Rib 会社から「手のかからない、お手軽な障がい者」みたいな枠にギュウギュウ押し込まれているような感覚があり「自分には合わないな」と感じていました。
こういう会社員生活から逃れたいという気持ちが生まれ、それで「保険適用できなくても、自分が望んでいるデザインの義眼が欲しい!」という気持ちがたかぶっていったんです。
デザインされた義眼に憧れた「意外なきっかけ」
――ご自身の希望するようなデザインの義眼を、初めて作ることができたのはいつごろですか?
Rib 2021年の1月、27歳のときです。18歳か19歳くらいの頃に、ある映画を観て「こんな義眼が欲しい!」と強く思ったんです。そんな風に憧れてから、実際に理想の義眼を手にするまで、ずいぶん長い時間がかかりました。
――オリジナルの義眼を作るきっかけが、映画だったんですか?
◆◆◆
つづく第3回は、Ribさんが自らデザインした義眼を作るようになったきっかけや、代表作でもある「光る義眼」など自らデザインした理想の義眼を手に入れるまでの道のりについてうかがっています。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

