「家族の車」はときに移動手段であることを超え、夫婦や親子の関係をも育むことがある。車への情熱が織りなす、多種多様な家族のドラマに迫る!

 今回は、ハイエースに乗る「ニム」さんをご紹介。

ハイエースをカスタムする「ニム」さん。右腕のタトゥーは蛇と龍をモチーフにしたもの

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父の背中を追いかけて

 父が昔から車やバイクを弄るのが趣味で、何度も雑誌に載ったり、イベントで賞を獲ったりしていたんですよ。幼い頃からそういう姿を見てきたので、私も当たり前に乗り物が好きになっていましたね。

アグレッシブなエアロとビビッドなピンクが圧倒的な存在感を放つ

 このハイエースも、もともとは父が所有していた車なんです。父は気に入った車があるとすぐに買ってきちゃって、とくにハイエースは3台も別の仕様で維持していたんですよね。

ロングボディに蛍光色の組み合わせ。イベント会場でもひときわ目を引いていた

 結局「こんなにあっても乗り切れない」と、2年前に私に1台譲ってくれて。もちろん当時からガッツリ弄ってあったんですけど、それから3回くらい仕様を変えて、今ではすっかり私好みの形になっていますね。

 ただ弄るときはいつも、父と相談しながらやっているんです。やっぱり、そこは大ベテランの経験が一番信頼できますから。むしろ、私がざっくり雰囲気を伝えれば、あとはもう全部イメージ通りに仕上げてくれちゃうくらいなんですけどね。

広大なリアゲートを全面的にオーディオスペースに

 今回は後席を完全に潰して、全部オーディオ用のスペースにして……。思い切ったぶん、仕上がりの満足度も段違いですね。でもまぁ、子どもが生まれて8ヶ月なので、「後席あったら便利だったかもな」とはちょっと思います(笑)。

 仕事の面でも、父にはお世話になりっぱなしで……。父の経営する運送会社で、トラックドライバーをしているんですよね。

ステアリングはmomoのスポーティなモデルを選んだ

 実は、中学や高校ではあまり周りに馴染めなくて、ほとんど通っていない期間もあって。それならもう働いてしまおうと、18歳から父の会社で働きはじめたんですよ。他にやりたいこともないし、運転も好きだし、父の役に立てるならそれでいいかなって。

 結果的に、トラックドライバーは時間の融通もききますし、ほとんど一人の空間なので、自分にはすごく合っていると思います。幸い、父の会社はホワイトですし(笑)。

父と協力しながら仕上げたハイエースが大のお気に入り

 私の夫も、同じ会社でドライバーをしていて……。車には全然興味がないんですけど、私の趣味には協力的でいてくれますね。今日も私がここに来ている間、子どもを家で見てくれているんです。

 そういう助けがないと、こうして趣味に時間を費やすことも難しいでしょうし、そのおかげでこうして楽しめているので。家族や周りの人たちに感謝しつつ、今後もカスタムを続けていきたいですね。

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