2025年10月16日、『Pokémon Legends: Z-A』が発売された。ご存知ポケモンシリーズの最新作であり、アクションRPGになるといった進化を遂げている。

『Pokémon Legends: Z-A』画像は任天堂公式サイトより

 発売初週の売り上げは全世界で約580万本。前作にあたる『Pokémon LEGENDS アルセウス』が初週650万だったことを考えるとやや劣るが、ほかの要因を考慮すると十分なものであろう。

 本作はNintendo SwitchおよびNintendo Switch 2で同時発売されているのだが、ゲーム機として出たばかりの後者のバージョンもかなり売れている(全体のおよそ半数におよぶ)。世界的ヒット作と言っても差し支えないだろうし、今後も販売本数は伸びていくだろう。

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 ただし、実際に遊んでみると印象は大きく異なる。筆者はこのゲームをプレイして「レトロゲームではないか」と思ったのが正直なところだし、ビデオゲームとしての行き詰まりすら感じ取った。

 前述のように、『Pokémon Legends: Z-A』はアクションRPGに進化したはずなのだ。それに売れている。にもかかわらず、なぜ実際に遊ぶと疑問が出てくるのだろうか?

時代の流れを汲み、アクションRPGに進化したはずの最新作

 これまでのポケモンは、ターン制コマンド選択式バトルを採用していた。つまり、コマンド(ポケモンが使う技)を入力するとポケモンが動いて戦い、それが終わるとまた立ち止まってコマンドを待つ形になる。

『Pokémon Legends: Z-A』画像は任天堂公式サイトより

 ターン制コマンド選択式バトルは馴染みある遊び方だが、同時にレトロなものでもある。現在の主流は多かれ少なかれアクション要素が入っているものだ。要するに、キャラクターを自由に動かして戦うなり、世界を探索するのである。

 しかし、ポケモンは頑なにターン制コマンド選択式バトルを守り続けていた。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』はオープンワールドになったのに、ポケモンたちはコマンドに従って動き、バトル中はターンという謎の概念によって縛られるのだ。

 さすがにそれが古臭いことは散々指摘されており、『Pokémon Legends: Z-A』ではついにリアルタイムで戦うアクションRPGの形式が採用された。

 ただし、ポケモンのように進化して急に姿が変わることなど現実ではありえない。とにかくレトロなのである。