強烈なレトロゲーム臭を感じさせられる“序盤の展開”

 ゲームをはじめてすぐに「まるでレトロゲームだ」と思わされるイベントが連発していた。

 最序盤、ホテルの部屋に荷物を置いた主人公は外に出かけることになるのだが、来た道がなぜか岩で塞がれているのである。

 これはプレイヤーが通るルートを変えたい意図があるのだが、あまりにも不自然で唐突である。レトロゲームではこのような「容量の都合で強引な展開になりがち」は割と見かける表現といえる。

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『Pokémon Legends: Z-A』画像は任天堂公式サイトより

 本作では容量の都合はなんとかなっただろうし、そもそも巨大なポケモンを置いて道を塞ぐなど、まともな理由付けはいくらでもできたのではないか?

 その次に、プレイヤーは博士のような人物から頼み事を依頼され、選択肢が出てくる。そして、「はい」を選ぶまで話が進まない。つまり「いいえ」を選ぶと無限ループするといった展開になる。

 この「選択すると見せかけて肯定を強制させる仕草」は、「ドラゴンクエスト」シリーズで頻出するものである。昔はジョークだったのかもしれないが、いまやゲームの選択できる幅が狭いことを証明してしまう仕草といえよう。

 なぜこのようなレトロな表現が採用されるのかといえば、ポケモンがそういう考え方を根本に持っているからなのだろう。どうしてもレトロゲームから進化できないシリーズなのだ。

いわゆるストーリーモードでは1対1のバトルが非常に多く、対戦モードのような多数対多数は数えるほどしかない。画像は任天堂公式サイトより

 とはいえ、いま挙げた部分は細かいものである。