致命的な“技術力の低さ”

 もっとも重要なのはアクションRPGになったバトルシステム。これも正直なところ現代のアクションRPGとは程遠い。

 というのも、中盤くらいまでこのゲームは技をポチポチ連打しているだけでよいのである。プレイヤーを動かしたり、ポケモンの位置関係を考えたり、技の効果範囲を考えるといった要素もあるにはあるのだが、要素としては薄い(対人戦をやりこむ人向けの要素に近い)。

アクティブタイムバトルを採用した『FINAL FANTASY V』。高く飛ぶ攻撃で敵の技を避けるといった戦略もかなり近いところがある。画像はSteamより

 リアルタイムのアクションRPGというより、遊んでいる感覚は「アクティブタイムバトル」に近い。これは昔の「ファイナルファンタジー」シリーズが採用したシステムで、時間がリアルタイムに経過するコマンド選択式バトルである。

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 ポケモンは世界中で多くの人に愛されるコンテンツである。アクションRPGとして最新鋭のものを用意するよりは、より多くの人が遊びやすいものにするのはわかるし、これでも一応はアクションRPGといえなくもない。

 ただしこれは、現代のアクションRPGではなく昔のアクションRPGである。

 ゲームレビューを集積するサイト「metacritic」では、本作の評価は78点になっている(記事執筆時点)。期待の大作にしては控えめの評価だ。レビュー内容もおおむね好意的だが、やはり技術力の低さはかなり指摘されている。