そもそもビデオゲームとしての進化は不要な「キャラゲー」?

 とはいえ、前述のように『Pokémon Legends: Z-A』は売れているし、魅力がないわけではない。SNSでは本作の話題でもちきりだ。

 具体的にいうと、本作の魅力はなんだろうか? 新しいメガシンカポケモンが出てくるだとか、人間キャラクターがかわいい・かっこいいだとか、あるいは主人公の着せ替えが豊富といった部分が評価されているポイントになる。

画像右の人物「カスラバ」は、いわゆる反社会的組織のようなもののリーダーとなるキャラクター。そのビジュアルで発売前からファンの注目を集めている。画像は任天堂公式サイトより

 つまり、現代のゲームとは思えないレトロ仕草やアクションRPGとしての部分はそこまで気にされていないのである。それもある意味では当然で、ポケモンは“キャラゲー”としての側面が大きいのである。

ADVERTISEMENT

 キャラゲーとは、ビデオゲームとしてのおもしろさよりもキャラクターの魅力を描く作品のことを指す。新しいポケモンが出れば盛り上がるし、オタク向けのキャラクターもまたこのシリーズの大きな要素だ。ビデオゲームとしてのおもしろさを求める必要はあまりない、というのが正直なところだろう。

 実際、ポケモンはゲーム以上にグッズ分野での売り上げがかなり大きい。となれば、「ビデオゲームのほうは遊びやすくてキャラクターの魅力があればいいじゃないか」とも思うわけだが、その姿勢ではゲームファンからどんどん問題が提起され、不満が膨れ上がっていくだろう。