イラン人を両親に持つ声優・俳優のニケライ ファラナーゼさん。映画『シャン・チー』ではケイティ役(演:オークワフィナ)の日本語版吹き替えを担当し、今年2月に発売されたゲーム『モンスターハンターワイルズ』では主人公・ハンター(タイプ2)の声を担当した。

 イランにルーツを持つため、見えない壁に悩んだこともあったと語る。だが、彼女は常に明るい。声優をしながら、一時はキックボクシングの試合に出ることも考えていたという“型破り”なストーリー。彼女の存在感は、これからもっと増すに違いない。(全3回の3回目/最初から読む

ニケライ ファラナーゼさん ©︎榎本麻美/文藝春秋

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キックボクシングジムに通い、子どもの頃には空手に親しんで

――現在は、アトミックモンキーに所属されていますが、その前はフリーとして4年ほど活動されていますね。

ニケライ ファラナーゼさん(以下、ニケライ) そうですね。フリー時代は、ダイエット目的でキックボクシングジムに通ったんですけど、これがまたいい経験になったというか。

――キックボクシングのジムに通っていたんですか!?

ニケライ もともと私は、子どもの頃に空手をやっていたんですよ。バレエ、ピアノも習っていたんですけど、全然うまくいかなくて、唯一好きだったのが空手。でも、空手って最初は型から始めるじゃないですか。当時は全然、面白くなくて、「早く闘わせろ」って先生に言っちゃってました。あまりにも生意気なことを言うから、当時、私は小3だったんですけど、小6の一番大きな男子と組み手をすることになって。先生としてはこれで大人しくなるだろうという算段だったと思いますが、なかなか良い勝負になって(笑)。先生から「もういい!」って止められた思い出があります。

©︎榎本麻美/文藝春秋

――小3の女の子が小6の男の子と良い勝負してたなんて、煽りVTRで使われる逸話ですよ(笑)。