看護師さんから「こんな家族は初めて」と言われた

 病院でできてしまったお尻の褥瘡(床ずれ)が痛いと訴えるので、訪看さんと一緒に見てどう処置しようかと相談した。肛門の少し上のほうに10センチ四方くらいの褥瘡ができていた。訪看さんはプロペトをこまめに塗ればよくなるけど、なかなか難しいよね、と言って「業者からもらったサンプルだけど使ってみよう」と、ドイツ製の大きな褥瘡用の絆創膏を貼ってくれた。これが非常に効果的だったのだが、クリニックを通して薬局に頼むととても時間がかかるという。

 ならば試しにと、ネットで品名を検索したら直接注文できることがわかった。値段もそんなにしない。その場で発注すると2日後には届いた。

 それを見ていた訪看さんからは「こんなふうに自分で見つけて注文しちゃう家族は初めてだ」と言われたが、ネットで物を買うことに慣れている人なら誰だって考えつくのではないか。いや、やはり患者家族というものは、医療関係者の意見をそのまま受け入れてしまいがちなのかもしれない。ちょっとしたことだが、まかせっきりにしないことも大事なのではないか、と思えた一件だった。

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