最初から前に出るタイプじゃなかったので、楽な気持ちで

――サービス業の鑑ですね。

リエ 私は別に自分のファンになってもらわなくてもいいんですよ。ご案内した方が他にかわいい子を見つけたら「この子めっちゃいい子ですよ」って言いますし「おすすめの子いますか?」と聞かれたら、私の好きなメイドを紹介します。そうやっていくうちに、結局巡り巡って自分のことを好きになってくれる人が現れたりするんです。

――その考えはメイドを始めた最初の頃からあったんですか?

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リエ ありました。最初から前に出るタイプじゃなかったので。あっとほぉーむカフェにはアイドルグループがあったんですが、それをやりたいとか、グッズを出したいという気持ちがなかったんです。良くも悪くも自分に対してあまり期待してなかったというか、そんなに人気は出ないだろうなって思ってやってましたし、そこは気持ちの面で楽でした。

©︎平松市聖/文藝春秋

――最初にもお話しいただきましたが、一度メイドを辞めているんですね。

リエ あっとほぉーむカフェに2005年に入って、4年後に就職するタイミングで卒業しました。普通に一般企業に就職して、社会人になってからは全く秋葉には行かなくなりましたね。

メイドの職業病? 会社で「お帰りなさいませ」と言いそうに…

――メイドであったことは会社では明かしていたんですか。

リエ 言ってないです。なので最初の頃、会社で「お帰りなさいませ」とか言っちゃいそうになって、そこは心配でした。でもギリバレてないと思います(笑)。大学時代もメイド以外にコンビニのバイトもやっていたんですが、その時に「いらっしゃいませ」と「お帰りなさいませ」がごちゃごちゃになっちゃって。それだけは本当に間違えないようにしてました。

©︎平松市聖/文藝春秋

――メイドの職業病ですね(笑)。

リエ メイドのみんなのあるあるです(笑)。あとメイドは膝が真っ黒になります。オーダーの時やご主人様・お嬢様のお話を聞く時に必ず膝をつくのがルールだったんです。なのでいまだにアザみたいなものができています。これも職業病ですね。でもメイドの勲章だと思ってます。