「まともな人間なら来るところじゃない」まるで“奴隷”な働きぶり
「キャバクラ店で働いたら何か美味しいことがありそうだなあ、という不純なことも考えていましたけどね」
こういう経緯で水商売に足を踏み入れたが、現実は厳しい。テレビでやっている深夜のバラエティー番組ではキャバクラや高級クラブなどの華やかなところを取り上げているが、主役はあくまで女性。店長、副店長クラスならいざ知らず、新入りのボーイや送迎係は女の奴隷みたいなものだった。
「とにかく性格がきついというか、根性が歪んでいるのが多い。まともな人間なら来るところじゃないでしょ。自分もそうだけど」
キャバ嬢に下着や生理用品を買いに行かされるのは日常茶飯事。閉店後にはキャバ嬢を自宅まで送っていくのだが、池袋から荻窪まで15分で行けと無理なことを言われたことも。
「お金にもだらしないのがいますよ。ホスト遊びのツケが溜まったのか、4、5人のホスト軍団が営業中にツケの回収に押し掛けてきたということもありましたから」
胡散臭い客の投資話や出資詐欺みたいなものに騙されて、大枚かすめ取られたキャバ嬢もいたし、前借りしたままドロンしたキャバ嬢もいた。どいつもこいつも頭の中身が足りなさそうと思ってしまう。5年経った現在はというと、やっていることはまったく同じ。大半が雑用的なことに追われるそうだ。
「店は夕方5時開店ですが、男性スタッフは1時間前の4時出勤が義務付けられています」