結婚式の祝儀が、生活を左右する

 生活レベルが上がらないため、知人との交際の範囲はどんどん狭くなっていく。大学を卒業してから3、4年の間は旧友との交際が活発だったが、今はほとんどない。親戚付き合いも同様だ。

「困るのは結婚式の招待状が届くことです。去年2回、今年も3月にお呼ばれしまして。大学のゼミで一緒だった人とサークルの2年後輩の人なんですが、ご祝儀を包まなくてはならないですよね。まさか1万円なんてわけにはいかないし、自分にも多少の見栄があるから3万円包んだわけですが、自分には生活を左右するほどの大金です」

 現状では自分も伴侶を見つけて祝福されることはないと思う。人の幸せな姿を見て笑いながら拍手をしていても、気持ちは複雑だ。

ADVERTISEMENT

 将来に対しての不安も大きい。まず今の仕事がずっと続けられるか分からない。今度また失業したら次はないだろう、長期アルバイトや製造業派遣、さもなくば飲食関係か介護関係くらいしか行き場がないと思う。

 再チャレンジできる社会というが、現実には一度でもしくじったら修正は難しい。そう痛感するのだ。

次の記事に続く 「美容院は4年行ってない」「1週間の食費は約3000円」就活に失敗→非正規雇用で低賃金に苦しむ30代女性が始めた『秘密の副業』