「車なんて走れば一緒」の対極に、唯一無二を求めてやまない改造車マニアたちがいる。終わりなきカスタムに没頭する彼らの目には、一体何が映っているのか?
今回は、ワゴンRスティングレーをカスタムする亮太さんをご紹介。
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マニア共通の「気づいたらここまでやっていた」
昔から家族が車好きで、父も車を弄っていましたし、歳が離れた兄もY32のグロリアに乗っていて。とくに兄には色々連れ回されて、夜のふ頭でのミーティングとか、悪い影響を受けたと思います(笑)。
ただ自分としては、そこまで車にどっぷりハマるつもりはなく、最初は軽のライフを買ったんですよ。弄るのもダウンサスやホイール交換くらいで、かなり軽めのカスタムでしたね。
でも、14年前にこのスティングレーに乗り替えた頃から、周りの仲間がどんどん派手に弄るようになって……。自分の感覚も、次第にマヒしていったんですよね。そのうちイベントにも出しはじめ、「次はここもやらないと」と続けるうちに、いつの間にかこんなことになってしまいました。
結局このスティングレーには、14年で500万円から600万円くらいかけちゃっています。やっぱり周りからは「そのお金かけるんだったら、普通車買えばよくない?」とか、「軽でここまでやる意味あるの?」とは言われますね。
自分でもそれは重々承知ですし、これまでに何度か乗り替えを考えたこともあるんですけど。まぁでも、「この車をもっとよくしたい」と繰り返していくうちに、額が膨れ上がっていった感じなので……。たぶん、カスタムにお金をかけている人たちのなかには、こういう風に「積もり積もって」という人も多いと思いますよ。
今ではもう、同年代で弄っていた人たちも、結婚や子育てで降りちゃって。ここまでやっているのは自分くらいになっていますね。
まぁ自分は独身ですし、車もこれと、あとは足用の軽なので。仕事は普通の工場勤務ですが、ある程度趣味にお金をかけていても、さほど負担は感じないんです。
車のために何かを我慢する、といったこともないですね。野球観戦が好きなので、ちょいちょい甲子園やナゴヤドームまで見に行ったり。生活のなかで気をつけているのは、「なるべく外食はしない」ってことくらいですかね。
ただやっぱり、結婚なんかのことを考えると、なかなか誰かに理解してもらうのは難しいのかなと。これまで付き合った人からも、「やめなよ」と言われることはありましたし……。これはもうほんとに、「縁があれば」としか言いようがないですね。
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